死亡、またはけがをした子どもが最も多いのは東部ドネツク州で139人、次いで首都があるキーウ州で116人東部ハルキウ州で99人北部チェルニヒウ州で68人などとなっています。
また、爆撃や砲撃による被害を受けた学校などの教育施設は1657か所にのぼり、このうち132か所は完全に破壊されたということです。
主な避難先はポーランドがおよそ323万人、ルーマニアがおよそ88万人、ハンガリーがおよそ57万人、モルドバがおよそ45万人などとなっています。 また、ロシアに避難した人はおよそ73万人となっています。
現地のメディアによりますと、シュミハリ首相は、ロシアによって海上輸送が妨害されているため、アフリカやアジア、ヨーロッパ向けの農作物およそ9000万トンが輸出できなくなっていると明らかにしたということです。 これに伴う損失は、1日当たり1億7000万ドル、日本円でおよそ221億円にのぼるとしています。 シュミハリ首相は、ウクライナの貨物船を中心におよそ70隻が、ロシア軍の攻撃をおそれ港にとどまっていると指摘しました。 そのうえで、「ロシアのせいで小麦やトウモロコシなどの国際価格が高騰している。ロシアが引き起こす世界的な食糧危機を何としても防がなければならない」と非難したということです。 ウクライナは小麦やトウモロコシなどの世界有数の輸出国で、国連のWFP=世界食糧計画は6日、緊急声明を出し、「世界的な食糧危機を引き起こさないために、ウクライナの港の再開を求める」と危機感を示しています。
ウクライナ南部オデーサ州の沖合30キロ余りに浮かぶズミイヌイ島は、大きさがおよそ400メートル四方で、ことし2月に軍事侵攻が始まった直後、ロシア軍に占拠され、防空ミサイルシステムなどの兵器が持ち込まれました。 今月8日に撮影された衛星写真では、島内の2か所で煙がのぼり、ロシアの軍事侵攻のシンボルとなっている「Z」の文字も見えます。 ウクライナ軍は、ズミイヌイ島の上空でロシア軍のヘリコプターを攻撃した時の映像を、8日SNSで公開しました。 映像では、空中で静止していたヘリコプターが突然、爆発し、周囲が煙に包まれる様子が確認できます。 ウクライナ軍は「われわれは止まらない。どんな小さな島であろうと、われわれの領土から敵を追い出す」と投稿しました。 ズミイヌイ島をめぐってウクライナ国防省は、島の近くでロシア軍の揚陸艇1隻を破壊したほか、島にあった防空ミサイルシステム2基を無人機で攻撃したと7日、ツイッターで明らかにしています。 一方、ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は9日「ウクライナ軍は、アメリカやイギリスと協力して島を占領するための大規模な挑発行為を計画した。しかし島にいるロシア軍によって阻止され、大きな損失をこうむった」と反論しました。 ロシア軍は、東部とともに南部に対しても攻撃を強めていて、ウクライナで3番目に人口が多く国内最大の港を持つ南部の中心都市オデーサの攻略に向けて、ズミイヌイ島を、重要な拠点と位置づけているものとみられます。
ウクライナ国外避難 約591万人 国連発表
農作物9000万トンが輸出できず
ウクライナ南部 露軍占拠の島めぐり攻防