漂流ひょうりゅうの範囲はんいは、北方ほっぽう領土りょうどの国後くなしり島とうの西側にしがわや北側きたがわ、それに択捉えとろふ島とうとの間まの海域かいいきのほか知床しれとこ半島はんとうの先端せんたんから北きたに少すくなくとも190キロ以上いじょうのオホーツク海かいに広ひろがっている可能かのう性せいがあると指摘してきしています。

先月せんげつ23日にち、知床しれとこ半島はんとうの沖合おきあいで乗客じょうきゃく・乗員じょういん26人にんを乗のせた観光かんこう船せん「KAZU 1」（19トン）が沈没ちんぼつした事故じこでは、これまでに乗客じょうきゃく14人にんが死亡しぼう、今いまも12人にんの行方ゆくえが分わかっていません。

全国ぜんこくの水難すいなん事故じこの調査ちょうさを行おこなっている水難すいなん学会がっかいの理事りじで、波なみの解析かいせきなどを専門せんもんとする長岡ながおか技術ぎじゅつ科学かがく大学だいがくの犬飼いぬかい直之なおゆき准じゅん教授きょうじゅは、今月こんげつ9日にちに続つづき、新あらたに現場げんば周辺しゅうへんでの漂流ひょうりゅうの予測よそくを公表こうひょうしました。

それによりますと、漂流ひょうりゅうの予測よそくの範囲はんいは時間じかんの経過けいかとともに、知床しれとこ半島はんとうの先端せんたん付近ふきんから半島はんとうの反対はんたいの羅臼らうす町まち側がわや北東ほくとう方向ほうこうの海域かいいきに広ひろがっているとしています。

そして、国後くなしり島とうの西側にしがわや北側きたがわの周辺しゅうへんの広ひろい範囲はんいに及およんだほか、一時いちじ、択捉えとろふ島とうとの間まの国後くなしり水道すいどうを南下なんかした可能かのう性せいがあるとしています。

さらに最近さいきんの風かぜの影響えいきょうなどで、北きたの方向ほうこうの海域かいいきに広ひろがり、知床しれとこ半島はんとうの先端せんたんから北きたに少すくなくとも190キロ以上いじょうのオホーツク海かいに広ひろがっている可能かのう性せいがあると指摘してきしています。

今回こんかいの予測よそくでは、より海上かいじょうに漂流ひょうりゅうしている状態じょうたいを想定そうていするため、潮しおの干満かんまんと現場げんば海域かいいきの風かぜが水深すいしん2メートルまでの比較的ひかくてき浅あさい海面かいめんに与あたえる影響えいきょうを考慮こうりょしていて、漂流ひょうりゅうの予測よそくがより広ひろい範囲はんいになったということです。

犬飼いぬかい准じゅん教授きょうじゅは「今回こんかいの予測よそくでは漂流ひょうりゅうがオホーツク海かいの広ひろい範囲はんいに及およぶ結果けっかとなり、今後こんごも海域かいいき全体ぜんたいの情報じょうほうを集あつめ、さらにシミュレーションを続つづけていきたい」と話はなしています。