海上保安本部によりますと、家族は献花台に花を手向けたほか、船体を確認し、涙を流す人もいたということです。
ことし4月、知床半島沖で観光船「KAZU1」が沈没した事故では、これまでに乗客14人の死亡が確認され、発生から40日目となる今も12人の行方がわかっていません。
海底から引き揚げられ作業船に載せられていた船体は、船内の水を抜く作業が終わったことなどを受けて6月1日の朝、網走港への陸揚げが行われました。
作業員たちが黙とうをささげたあと、船体はクレーンでゆっくりとつり上げられて陸揚げされ、その後、近くにある保管場所に運ばれました。
また、1日は午後2時半すぎから、希望する乗客の家族に船体が公開され、バスに乗って訪れた9家族27人が、周囲をシートで覆われた保管場所の中に入りました。
第1管区海上保安本部によりますと、家族たちは船の近くに設けられた献花台に花を手向けたということです。
そして船内には入らず、周りから船の状況を確認し、涙を流す人もいたということです。
このあと取材に応じた第1管区海上保安本部警備救難部の横内伸明次長は、「家族からは『事故がどのようにして起きたのか関心があることなので、しっかりと捜査していただきたい』という要望を受けた。捜索についても『引き続きお願いしたい』という話があった」と明らかにしました。
海上保安本部は、これまで詳しく検証できなかった、船底の傷の状態なども調べて事故原因の解明を進めるほか、1日以降も沈没現場の周辺海域で12人の行方不明者の捜索を続けることにしています。