こう嘆くのは、大阪・都島区にあるイタリアンレストランのオーナーシェフの吉田誠也さん。
この店では、看板メニューのイタリア・パルマ産の生ハムの食べ放題が存続の危機に立たされています。
今は、輸入が停止される前に仕入れた生ハムを提供していますが、3月ごろから新たな仕入れが難しくなり、在庫は徐々に少なくなってきているといいます。
このため、店では、スペイン産の生ハムに切り替えることを考えていますが、スペイン産はもともとイタリア産より価格が高い上、輸入停止をきっかけに注文が集中し、例年と比べて価格がさらに2割ほど高くなっているということです。
「イタリアン酒場ORA」の吉田誠也さんは「輸入停止と聞いたときはショックでした。お客さんに人気の生ハム食べ放題を今後どうやっていくか、考えていかなければなりません」と話していました。
「サイゼリヤ」は、「熟成ミラノサラミ」については在庫がなくなったため販売を終了したほか、「プロシュート」なども在庫がなくなりしだい、販売を終了する予定だとしています。
ASFは、日本では発生が確認されていませんが、これまでアフリカやヨーロッパのほか、アジアでも発生が確認されています。 人には感染しないものの、豚が感染すると致死率はほぼ100%とされ、国内で発生した場合、畜産業に大きな打撃となることが懸念されています。 イタリアでは、ことし1月、ASFの発生が確認。 これを受けて、日本は、豚肉や豚肉の加工品などの輸入停止に踏み切ったのです。
農林水産省によりますと、年によってバラツキはあるものの、イタリア産は輸入量のおよそ7割を占めていたため、輸入業者は代替品の確保などの対応に追われています。
会社では、飲食店などからの注文に応えるためこれまで扱ってこなかった、スペイン産やフランス産の生ハムを別の輸入業者から購入して急場をしのいできました。
スロベニア産の生ハムは、これまで日本国内ではあまり流通していませんでしたが、イタリア産と風味が似ていることなどから、輸入開始に向けて担当者が先月から現地に飛んで交渉を行っています。 ただ、新たに輸入するには現地での衛生管理の徹底などが求められるため、すぐに輸入できる訳ではないといいますが、なんとか実現にこぎつけたいと考えています。
農林水産省によりますと、輸入の再開には、ASFの発生が確認されたイタリアが「清浄化」を宣言した上で、日本政府の現地調査や専門家による審査などを経て認められるということです。 ただ、輸入停止の措置が解除される見通しは今のところ立っていないということで、影響は長期化する可能性が出てきています。 (大阪放送局 取材班)
影響は大手外食チェーンにも
イタリア産生ハムの輸入停止 背景にあるASFとは
輸入業者の中には代替品の確保に追われるところも
新規開拓に努めるもすぐに輸入できるわけではなく…
今後の見通しは