「みんなの畑」と呼ばれているこの場所に、ことし5月、子どもから大人までおよそ50人が集まりました。
「みんなで収穫して食べたりするのが、楽しい、嬉しい」 母親 「なかなか人と関われる機会があまりないので、こういうところに来て、親も子も人とも関わってちょっと気が楽になる」 大学生 「子どもといっしょに遊べて楽しいです」
そしておととし、木村さんが趣味にしている畑を子どもたちと一緒に作ることになりました。
地域の子ども達などに声をかけ、畑作りを始めました。 近くの高校の生徒や教員、ボランティアの大学生など参加者は徐々に増えています。
「いまコロナでなかなか人と集まることが出来ない状況ですが、屋外なので集まりやすい。子どもの笑う声が聞こえるのがいちばん嬉しいです」
「特にルールがあるわけではなく、来られるときに来られる人が来てお世話をしています。農作業はいろんな作業が必要で、それぞれに自分の役割を見つけられるし、知らない人同士でも自然とつながっていく」
中学3年生の石河浩幸さんです。
いつもと違う、ということが苦手で、コロナの「非日常」という感じがしんどかったといいます。 そんなとき、畑に来ないかと声をかけられた石河さん。 畑づくりをしながら地域の人たちと交わるうちに落ち着いてきたそうです。 いまでは子ども班のリーダーとして活躍し、学校にも通えるようになりました。 石河さん 「コロナはしんどかったけど、この畑でちょっとしたことをするとなんだか落ち着きました」 石河さんの母親・愛子さん 「外に出るモチベーションになりましたし、畑で働くことで人の役に立っていると感じさせてくれたようです。作業しながらみんなと話すのも嬉しいようです」 畑には、孤立しがちな親子や発達障害の子どもなども多く集まるようになりました。
この日はアルファ化米を作りながら、4年前の地震の被害などについても振り返りました。茨木市では1週間ほどガスが止まり、食事に困った人も多くいたためです。 災害時には避難場所としてこの畑に集まったり、畑の作物を食べたりして活用できると期待しています。 辻さんは、畑でできたつながりが、地震など、いざという時の支えになると感じています。 辻由起子代表 「災害時に備蓄があったとしてもひとりぼっちはしんどい。誰かとつながっていることがいちばんの支えになる。畑を中心に地域の人が集まって声をかけあうつながりを作っていけたら」
知らない人同士でも打ち解けやすくなる。 人とコミュニケーションをとるのが苦手な発達障害がある子どもたちも作業をしながら自然に話ができる。 「みんなの畑」での体験は、野菜だけでなく地域のつながりも大きく育てているようです。
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大阪北部地震で壊れた住宅の跡地に
子どもたちのために
畑で人とつながる
畑で元気になる
“つながる畑”防災にも
野菜以外も育ってます
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しあわせニュース
その名も「みんなの畑」
育てているのは、野菜だけではありません。
災害に備える地域のつながりや、コロナ禍で失われかけていた子どもたちの元気も育てようとしています。
(大阪放送局 記者 井上幸子)
みんな集まる「みんなの畑」