中国の
北京で
民主化を
求める学生らの
運動が
武力で
鎮圧された
天安門事件の
犠牲者を
追悼するため、
台湾で
展示されていた
像が、
黒いペンキのようなもので
汚され、
警察は
容疑者を
拘束して
背後関係などを
調べています。
33年前の天安門事件をめぐっては、デンマーク人の芸術家が犠牲者を追悼する像を制作し、1998年から香港大学の構内に設置されていましたが、反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法による摘発が相次ぐ中、去年12月、大学側が「法律違反となるリスクを避けるため」として撤去しました。
このため台湾の市民団体が制作者の同意を得て3Dプリンターで複製し、今月4日から台北市内の広場で展示していました。
この像が12日、黒いペンキのようなもので汚されているのが見つかり、通報を受けた警察が付近の監視カメラの映像などをもとに、19歳の男の身柄を器物損壊の疑いで拘束しました。
調べに対して男は「新型コロナウイルスの感染拡大の影響で生活に困り、憂さ晴らしでやった」と供述しているということです。
像の複製を呼びかけた「華人民主書院協会」の曽建元理事長は「単純な器物損壊ではなく、天安門事件や中国共産党のあらゆる歴史的な過ちについて台湾の人たちの口をつぐませようという行為だ」と非難し、警察が男の背後関係などを調べています。