北海道の
知床半島沖で
沈没した
観光船の
運航会社に対し、
国土交通省北海道運輸局は16
日、
出航判断の
基準を
順守しない
など、
複数の
違反が
確認されたとして、
観光船事業の
許可を
取り消しました。
知床半島の沖合で、観光船「KAZU 1」が沈没した事故で、北海道運輸局は、運航会社「知床遊覧船」への特別監査の結果、出航判断の基準を順守しないなど、海上運送法の違反が複数の項目で確認されたとして、16日に観光船事業の許可を取り消しました。
運輸局によりますと、事故をきっかけに観光船事業の許可を取り消すのは全国で初めてだということです。
北海道運輸局の岩城宏幸局長は、運航会社の桂田精一社長に対し「処分を重く受け止めて、引き続き行方不明者の捜索に対する協力を行うとともに、乗客の家族への損害賠償について、真摯な対応をするよう求める」とする文書を出しました。
一方、運航会社側は今月14日に行われた、処分について意見を述べる聴聞の手続きで、陳述書を事前に提出し「事故の責任を会社のみにあるとするのはおかしい。責任は監督官庁の国にもある」などと主張していました。
松野官房長官「二度と痛ましい事故を起こさないよう」
松野官房長官は、午前の記者会見で「北海道運輸局が実施した特別監査で海上運送法の違反が多数確認されたことから、国土交通省が今回の取り消し処分を決定したと承知している。政府としては、二度と今回のような痛ましい事故を起こさないよう取り組んでいきたい」と述べました。