「足あしを180度ど開ひらく競技きょうぎの特性とくせいもあるのですが、レオタードからナプキンがはみ出はみだしていないか気きになったりすることもあります。レオタードに漏もれていたらどうしようとか、汗あせの蒸むれも不快ふかいだし、そういうところを気きにしていたら、100％競技きょうぎに集中しゅうちゅうできません」

さらに、生理せいり中ちゅうにコンディションが悪わるくなったり、不快ふかい感かんが増ますと集中しゅうちゅう力りょくが落おちて、ケガにつながる危険きけんもあるといいます。

（杉原すぎはら愛子あいこ選手せんしゅ）

「生理せいり前まえや生理せいり中ちゅうは体調たいちょうが悪わるくなることが多おおいので、そうした時ときに無理むりやり練習れんしゅうすると危あぶないんです。跳馬ちょうばの練習れんしゅう中ちゅうに、着地ちゃくちでケガをしそうになったこともありました。集中しゅうちゅうできないとケガにもつながるし、いい練習れんしゅうもできないと思おもっています」

PMSは、生理せいり前まえの3～10日にちの間まに続つづく精神せいしん的てき、身体しんたい的てきな症状しょうじょうで、イライラや気分きぶんの落ち込おちこみのほか、下腹かふく部ぶや乳房ちぶさの張はり・痛いたみなどが主おもな症状しょうじょうとされています。

杉原すぎはら選手せんしゅは、症状しょうじょうを改善かいぜんする低てい用量ようりょうピルの服用ふくようを試ためしましたが、体からだに合あわなかったことや、慣なれるまで時間じかんがかかり、服用ふくようを見合みあわせました。

（杉原すぎはら愛子あいこ選手せんしゅ）

「2週間しゅうかんに1回かいくらい生理せいりが来きて、貧血ひんけつになったりしたので、婦人ふじん科かに通かよって低てい用量ようりょうピルを試ためしましたが体からだがだるくなったり、いい練習れんしゅうができなかったので、私わたしには合あわなかったと思おもっています」

「走はしって飛とんで投なげてという競技きょうぎの特性とくせい上じょう、どうしてもナプキンがずれてしまう。また、メインの練習れんしゅうや走り込はしりこみのセットの間まは、なかなかお手洗てあらいに行いけず、気持きもち悪わるいなと思おもいながらプレーをしなくてはいけないことにストレスを感かんじていました」

そこで、自身じしんの経験けいけんやアスリートの声こえをもとに開発かいはつに携たずさわったのが、アスリート用ようの「吸水きゅうすいショーツ」です。

ショーツは、医療いりょう用ようの超ちょう吸水きゅうすい性せい繊維せんいを使用しようし、ナプキン4枚まい分ぶんに相当そうとうする最大さいだい20ミリリットルの水分すいぶんを吸収きゅうしゅう。漏もれを防ふせぎにくくしたほか、抗菌こうきん性せいの高たかい布地ぬのじを使つかうことで、一いち日にち中ちゅうはいてもにおいが気きになりにくいといいます。

また、ユニフォームにラインが響ひびかないよう工夫くふうしました。

こうした場ばが自然しぜんと生理せいりについて話はなす機会きかいとなり、中なかには、初はじめて症状しょうじょうがあることに気付きづいた女性じょせいアスリートが、医療いりょう機関きかんに足あしを運はこんだケースもあったということです。

（バレーボール部ぶ 女性じょせいコーチ）

「個人こじん差さがあるし、デリケートな問題もんだいなので、女性じょせいどうしでもなかなか触ふれにくいのですが、自分じぶんに合あうものを選えらべる選択肢せんたくしが増ふえたとことは非常ひじょうにいいことだと思おもいます」

「女性じょせいの体からだのことというのは男性だんせいコーチも一緒いっしょになって悩なやむというか考かんがえる必要ひつようがあるんじゃないかな。問題もんだい提起ていきとしてすごく重要じゅうようなことだという印象いんしょうです」

（泉谷いずみや莉子りこ選手せんしゅ）

「生理せいりの話はなしってきっと女性じょせい選手せんしゅ、私わたしもそうでしたけど言いいたいけどなんのきっかけもないから言いえないみたいな。コミュニケーションのツールとして架け橋かけはしではないですけどそういうものがまさに吸水きゅうすいショーツだと思おもっているのでそういう活動かつどうをどんどんしていきたいなと思おもいます」