この中なかでパトルシェフ書記しょきは、リトアニアが、EU＝ヨーロッパ連合れんごうの制裁せいさい措置そちに従にしたがって、自国じこくを通過つうかする鉄道てつどう貨物かもつ輸送ゆそうの制限せいげんを始はじめたことについて「国際こくさい法ほうの原則げんそくに反はんし、カリーニングラードへの大量たいりょうの物資ぶっしを封鎖ふうさした」と批判ひはんしました。

その上うえで「ロシアは、このような敵対てきたい的てきな行為こういに明確めいかくに対応たいおうする。適切てきせつな措置そちが検討けんとうされており、近ちかく実施じっしされるだろう。その結果けっかは、リトアニアの国民こくみんに深刻しんこくな悪影響あくえいきょうを与あたえることになる」と述のべ、対抗たいこう措置そちをとる構かまえを示しめしました。

また、パトルシェフ書記しょきは、北欧ほくおうのフィンランドとスウェーデンの、NATO＝北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやく機構きこうへの加盟かめい申請しんせいについて「新あらたな脅威きょういが生しょうじており、国境こっきょうの防衛ぼうえいのために追加ついか措置そちが必要ひつようだ」と述のべ、ロシア北西ほくせい部ぶの国境こっきょう警備けいびを強化きょうかする考かんがえを示しめしました。

ロシアで最もっとも西にしに位置いちするカリーニングラードは、ロシア海軍かいぐんがバルト艦隊かんたいの司令しれい部ぶを置おく戦略せんりゃく拠点きょてんです。

パトルシェフ書記しょきは治安ちあん機関きかん出身しゅっしんで、プーチン政権せいけんを支ささえる強硬きょうこう派はの中なかでも代表だいひょう格かくの1人にんとされていて、カリーニングラードに直接ちょくせつ出向でむき、警告けいこくを発はっすることで、このあと首脳しゅのう会議かいぎを控ひかえるEUやNATOに揺ゆさぶりをかけるねらいもあるものとみられます。

北方ほっぽう領土りょうどの貝殻かいがら島とう周辺しゅうへんで行おこなわれるコンブ漁りょうは、日本にっぽんとロシアの民間みんかん交渉こうしょうで決きまった操業そうぎょう条件じょうけんに基もとづいて、例年れいねん、6月つき1日にちに解禁かいきんされています。しかし、ことしはロシアによるウクライナ侵攻しんこうの影響えいきょうで交渉こうしょうの開始かいしが大幅おおはばに遅おくれ、解禁かいきん日びを過すぎた6月つき3日にちに妥結だけつしました。その後そのごも操業そうぎょうに必要ひつような準備じゅんびを整ととのえるために時間じかんを要ようし、22日にち、例年れいねんより3週間しゅうかん遅おくれて漁りょうが始はじまりました。

地元じもとの漁協ぎょきょうでは、日にちロ関係かんけいの悪化あっかを受うけて、漁船ぎょせんが安全あんぜんに操業そうぎょうできるよう監視かんしする船ふねを例年れいねんの1隻せきから3隻せきに増ふやしました。貝殻かいがら島とう周辺しゅうへんのコンブ漁りょうは9月つき末まつまで行おこなわれます。

日本にっぽんとロシアとの協定きょうていに基もとづいて行おこなわれる漁りょうをめぐっては、ウクライナ侵攻しんこうの影響えいきょうでサケ・マスをめぐる交渉こうしょうも例年れいねんより遅おくれたほか、北方ほっぽう四よん島とうの周辺しゅうへん海域かいいきの「安全あんぜん操業そうぎょう」についてはロシア側がわが協定きょうていの履行りこうを停止ていしすると発表はっぴょうし、現場げんばに不安ふあんが広ひろがっています。

カリーニングラードは、リトアニアとポーランドに囲かこまれたロシアで最もっとも西にしに位置いちするいわゆる「飛び地とびち」でリトアニアを経由けいゆしなければ、列車れっしゃでロシアから荷物にもつを搬入はんにゅうすることは出来できません。

また、ロシア政府せいふも強つよく反発はんぱつしていて、大統領だいとうりょう府ふのペスコフ報道ほうどう官かんは20日にち、記者きしゃ団だんに対にたいし「前例ぜんれいがなく、違法いほうだ」と述のべ、ロシア外務省がいむしょうはリトアニア大使館たいしかんの代表だいひょう者しゃに抗議こうぎを行おこなうとともに、対抗たいこう措置そちも辞じさない考かんがえを示唆しさしました。

一方いっぽう、AP通信つうしんなどによりますと、リトアニア政府せいふはEUの制裁せいさいに沿そった措置そちだとしていて、EUのボレル上級じょうきゅう代表だいひょうも20日にち、「封鎖ふうさではない。商品しょうひんの輸送ゆそうは続つづいている」としています。ロシア当局とうきょくはバルト海ばるとかいを経由けいゆした海上かいじょう輸送ゆそうなどを強化きょうかする方針ほうしんですが、EU＝ヨーロッパ連合れんごうとロシアの間まで緊張きんちょうがさらに高たかまることが懸念けねんされます。

ズミイヌイ島とうはウクライナ南部なんぶの南部なんぶオデーサ州しゅうの沖合おきあいの島しまでロシア軍ぐんが攻撃こうげきの拠点きょてんの一ひとつとしている海上かいじょうの戦略せんりゃく的てきな要衝ようしょうです。

人工じんこう衛星えいせいを運用うんようするアメリカの企業きぎょう「マクサー・テクノロジーズ」は、22日にち、ズミイヌイ島とうを6月つき17日にちと21日にちに撮影さつえいした衛星えいせい画像がぞうを公開こうかいしました。

21日にちに撮影さつえいされた衛星えいせい写真しゃしんには、島しまの北部ほくぶや、中部ちゅうぶ、そして南部なんぶの3か所かしょで地面じめんが黒くろく焦こげたようなあとが確認かくにんできます。

17日にちに撮影さつえいされた衛星えいせい写真しゃしんには、地面じめんが黒くろく焦こげたようなあとは確認かくにんされないため、この期間きかんにウクライナ軍ぐんによる攻撃こうげきがあったものとみられます。

また、イギリス国防省こくぼうしょうは21日にち、ウクライナ軍ぐんが欧米おうべいから供与きょうよされた対たい艦かんミサイルでズミイヌイ島とうに武器ぶきなどを運搬うんぱんしていたロシア軍ぐんのタグボート1隻せきへの攻撃こうげきに成功せいこうしたと発表はっぴょうしています。

黒海こっかい海上かいじょうの要衝ようしょうを巡めぐりロシア軍ぐんとウクライナ軍ぐんとの間まで激はげしい攻防こうぼうが続つづいています。

ロシア最大さいだいの政府せいふ系けいガス会社かいしゃガスプロムは今月こんげつ15日にち、ドイツ向むけの主要しゅようなパイプラインを通をとおして供給きょうきゅうする天然てんねんガスの量りょうをおよそ60％減へらすと発表はっぴょうし、ドイツだけでなく、パイプラインでつながるヨーロッパ各国かっこくで警戒けいかい感かんが高たかまっています。

こうした中なか、ドイツ政府せいふは19日にち、暖房だんぼう需要じゅようが高たかまる冬場ふゆばに向むけガスの貯蔵ちょぞうを増ふやすため、発電はつでん用ようのガスを減へらして石炭せきたん火力かりょく発電はつでんを一時いちじ的てきに拡大かくだいする方針ほうしんを示しめしました。

エネルギー政策せいさくを担当たんとうし、環境かんきょう政策せいさくを重視じゅうしする政党せいとう、「緑の党みどりのとう」の前まえの党首とうしゅでもあるハーベック経済けいざい・気候きこう保護ほご相しょうは、声明せいめいで「悔くやしいことだがガスの消費しょうひを減へらすには必要ひつようなことだ」と、国民こくみんに理解りかいを求もとめています。

また、オランダ政府せいふも20日にち、これまで制限せいげんしていた石炭せきたん火力かりょく発電はつでん所しょの運転うんてんについてフル稼働かどうを認みとめる方針ほうしんを発表はっぴょうしました。

さらにオーストリア政府せいふも必要ひつようがあればすでに閉鎖へいさした石炭せきたん火力かりょく発電はつでん所しょを再さい稼働かどうする方針ほうしんを決きめたほか、フランス政府せいふも、年内ねんないに廃止はいしする予定よていの石炭せきたん火力かりょく発電はつでん所しょ2基きの稼働かどう延長えんちょうを検討けんとうしていることを明あきらかにしています。

核兵器かくへいきの所有しょゆうや使用しようなどを禁きんじる核兵器かくへいき禁止きんし条約じょうやくの初はじめての締約ていやく国こく会議かいぎは、日本にっぽん時間じかんの21日にち午後ごごからオーストリアの首都しゅとウィーンで始はじまりました。

冒頭ぼうとう、議長ぎちょうを務つとめるオーストリア外務省がいむしょうのクメント局長きょくちょうは「核かくをめぐるあらゆる議論ぎろんが間違まちがった方向ほうこうに進すすんでいる」と述のべ、核兵器かくへいきが使つかわれる脅威きょういや各国かっこくで核かく抑止よくしの議論ぎろんが高たかまっていることへの警戒けいかい感かんを示しめしました。

続つづいて締約ていやく国こくの演説えんぜつが行おこなわれ、このうちニュージーランドの代表だいひょうは「核兵器かくへいきを使用しようするというプーチン大統領だいとうりょうの脅おどしは、われわれを再ふたたび核かくの大だい惨事さんじの瀬戸際せとぎわに追おいやっている」と述のべるなど、ほとんどの国くにがロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうで核かくの脅威きょういが高たかまっている現状げんじょうに危機きき感かんを示しめし、核兵器かくへいき廃絶はいぜつを目指めざす条約じょうやくの意義いぎを強調きょうちょうしました。

そして、ガーランド長官ちょうかんは、ベネディクトワ検事けんじ総長そうちょうとともに記者きしゃ団だんの取材しゅざいに応おうじ「アメリカは戦争せんそう犯罪はんざいを行おこなった者ものには『隠かくれる場所ばしょなどない』という明白めいはくなメッセージを送おくる。我々われわれとそのパートナーは、残虐ざんぎゃく行為こういを行おこなった者ものは責任せきにんをとることになるということを明確めいかくにするため、あらゆる方法ほうほうを模索もさくする」と述のべました。

また、卒業生そつぎょうせいたちに向むかって「学まなんだ理論りろんや知識ちしきは実務じつむ経験けいけんを積つんでこそ生いかせることを忘わすれてはならない」と述のべ、軍事ぐんじ侵攻しんこうを続つづけるウクライナに派遣はけんされる可能かのう性せいにも言及げんきゅうしました。

ロシアはウクライナ東部とうぶルハンシク州しゅうの完全かんぜん掌握しょうあくを目指めざし、ウクライナ側がわの拠点きょてん、セベロドネツクなどへの攻撃こうげきを続つづけています。

ルハンシク州しゅうのハイダイ知事ちじは、大だい部分ぶぶんがロシア軍ぐんに掌握しょうあくされていると先さきに明あきらかにしたセベロドネツクの状況じょうきょうについて、21日にち、SNSで近ちかくの集落しゅうらくがさらに占領せんりょうされたと述のべたほか、ロシア軍ぐんは川かわを挟はさんで隣接りんせつするリシチャンシクへも激はげしく砲撃ほうげきしていると批判ひはんしています。

一方いっぽう、ロシア国防省こくぼうしょうは21日にち、ウクライナ南部なんぶのオデーサ州しゅうにあるウクライナ軍ぐんの飛行場ひこうじょうをミサイルで攻撃こうげきし、無人むじん攻撃こうげき機きの格納かくのう施設しせつなどを破壊はかいしたと発表はっぴょうしました。

この攻撃こうげきについてロシア国防省こくぼうしょうは、黒海こっかいにあるロシアの石油せきゆガス会社かいしゃの施設しせつが20日にち、ウクライナ軍ぐんの無人むじん攻撃こうげき機きなどにより攻撃こうげきを受うけたことに対にたいする報復ほうふくだとしています。