また、ロシアのラブロフ外相は24日、記者会見で、「ロシアにとって脅威ではない」と静観する構えを示しました。
ウクライナがEU加盟を目指す方針については、ロシアのプーチン大統領も17日、「EUはNATO=北大西洋条約機構と異なり、軍事的な組織ではない」として、反対しない立場を示しています。
ロシア国防省は24日、過去5日間で、周辺の地域を相次いで掌握し、セベロドネツクの南方では、ウクライナ側の兵士およそ2000人を包囲していると発表しました。 ウクライナでは、ロシア軍とウクライナ軍双方の兵士の犠牲や兵器の損失が拡大し続ける消耗戦となっていて、戦闘の終結に向けた道筋は全く見えない状況です。
ハイダイ知事は「ロシア軍は数か月にわたり、ほぼ毎日、セベロドネツクを攻撃した」とロシア軍を非難しました。 また損失について「重要なインフラはすべて破壊され、街の90%が被害を受けた。住宅の80%を再建する必要がある」と述べました。 そして、川を挟んでセベロドネツクに隣接するリシチャンシクにもロシア軍の部隊が向かっていると訴えました。
渋谷区の会場には、ウクライナとロシアの子どもたちが描いた絵画がそれぞれ17点ずつ展示されています。 いずれも東京の公益財団法人が主催する「世界児童画展」の4年前から去年までの応募作で、軍事侵攻の前の両国の日常の風景が描かれています。 このうち、ウクライナの10歳の女の子が描いた「スケート」という作品は、女の子が雪の中で家族とスケートを楽しむ様子が白と黒の絵の具で表現されています。
企画したメンバーの1人で聖心女子大学の水島尚喜教授は「絵を描いた子どもたちの今の状況に思いをはせることで世界の平和について考えるきっかけにしてもらいたいです」と話していました。 この絵画展は来月7日まで聖心女子大学4号館で開かれています。
首都モスクワで、日本車などの整備会社を経営するアレクサンドル・エリストラトフさんは、制裁が強化されてから、車の部品の調達に時間がかかり、価格も値上がりしていると話しています。 日本やアメリカなどから調達していたエンジンなどの部品については、この2か月で価格がおよそ2倍になったということです。 また、自動車部品を販売する別の店では、アメリカ製の部品が入手できず、残った在庫だけを販売しているほか、フランスやイタリアなどから取り寄せていた部品やオイルが激しく値上がりしているということです。 さらにロシアでは、紙を白くするための漂白用の化学薬品が入らなくなり、印刷用紙の値段が高騰しているほか、紙パックのジュースのパッケージに使われる塗料が入らなくなり、カラフルな絵柄が白を主体にしたデザインに代えられるなどの影響も出ています。
その一方で、戦闘が続いている現実を常に意識してもらう取り組みも行われていて、キーウ中心部にある独立広場の一角には戦闘で亡くなった人たちの名前を書いた国旗が掲げられ、現在、500以上の国旗が並んでいます。 また、追悼のことばをつづるノートも置かれ、道行く人が足を止めて書き込んだり写真を撮ったりする姿が見られます。 広場を訪れた19歳の女性は、一時的にスペインに避難していたということで「キーウに戻ってきたことで、人々が経験した戦争の痛みを感じています。本当につらい話ばかりで、ことばもありません」と話していました。 一方、キーウ中心部の別の広場では、ウクライナ軍が破壊したロシア軍の戦車や、ロシア軍の攻撃を受けた乗用車などが展示されています。 軍事侵攻が始まって4か月となることについて53歳の女性は「ロシアに対する怒りは今や憎悪に変わりました。あすにでも戦争が終わってほしいですが、実際にいつ終わるのかは見当もつきません」と話していました。
そのうえで、EU=ヨーロッパ連合が首脳会議で、加盟を申請しているウクライナとモルドバに交渉開始の前提となる「加盟候補国」の立場を認めると決めたことについて「EUが、侵略を受けるウクライナと人口比で見ると最大となる避難民の受け入れをしているモルドバに、連帯を示したものだと思うので歓迎したい」と述べました。
それによりますと、総額は780億ユーロ、日本円でおよそ11兆円となっていて、このうちアメリカは、もっとも多い426億ユーロ、日本円でおよそ6兆円で、全体の半分以上を占めています。 次いで、EU=ヨーロッパ連合は155億ユーロ、日本円でおよそ2兆2000億円、イギリスは48億ユーロ、日本円でおよそ6800億円、ドイツは32億ユーロ、日本円でおよそ4500億円、ポーランドは27億ユーロ、日本円でおよそ3800億円などとなっています。 また、支援額が各国のGDP=国内総生産に占める割合については、多い順に、エストニアが0.87%、ラトビアが0.73%、ポーランドが0.49%、リトアニアが0.31%などとなっていて、ロシアに地理的に近く、歴史的にもロシアを脅威と捉えてきた国々が上位を占めています。 これについては、ヨーロッパの主要国であるドイツやフランスは、いずれも0.1%未満となっています。 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐってヨーロッパ各国の国内世論には違いも見られます。 ヨーロッパの調査研究機関「欧州外交評議会」が、ことし4月下旬から先月中旬にかけてヨーロッパの10か国で、合わせて8000人を対象に調査を行いました。 調査では「たとえ領土をロシアに渡すことになったとしても、もっとも大事なのは可能なかぎり早く停戦することだ」という回答を選択した人たちを「和平派」としています。 一方、「たとえ、さらに多くのウクライナ人が殺されたり、避難を余儀なくされたりしても、もっとも大事なのは侵攻したロシアを罰することだ」という回答を選択した人たちを「正義派」としています。 調査結果をみると「和平派」が35%なのに対し、「正義派」が22%、「どちらとも言えない」が20%となりました。 国別に「和平派」と「正義派」の割合をみると、イタリアは52%と16%、ドイツは49%と19%、ルーマニアは42%と23%、フランスは41%と20%などと、調査が行われた10か国のうち9か国で「和平派」が「正義派」を上回っていることがわかりました。 一方、ポーランドだけは、逆の傾向を示して16%と41%となっており、「正義派」が「和平派」を上回る結果となりました。
この兵器は射程が長く、精密な攻撃が可能だとされ、アメリカは今月1日、ウクライナに4基を供与すると発表していました。 今回の追加供与によって、合わせて8基が供与されることになります。 このほかにも機関銃や巡視船18隻などの供与も発表され、今回の軍事支援は4億5000万ドル、日本円でおよそ600億円相当だということです。 国防総省によりますと、ロシアの侵攻が始まった2月下旬以降、軍事支援の総額は合わせておよそ61億ドル、日本円でおよそ8200億円に上ります。 アメリカは今月15日にも対艦ミサイルや高機動ロケット砲システムに使われるロケット弾などの軍事支援を発表したばかりで、戦闘が長期化する中、ウクライナへの兵器や弾薬の供与を加速させています。
また、ウクライナの大統領府は23日、EU=ヨーロッパ連合の首脳会議に参加した各国首脳などにゼレンスキー大統領が感謝を伝える動画を公開しました。 この中で、ゼレンスキー大統領は「ウクライナの独立から30年間で、最も重要な決定の1つだ。これはウクライナのためだけでなく、ヨーロッパを強化するための最も大きな一歩だ」としています。
内訳は、宗教的施設が70、歴史的建造物が30、文化センターが18、記念碑が15、博物館が12、図書館が7となっています。 地域別では、激しい戦闘が続く東部ドネツク州が最も多い45、東部ハルキウ州が40、首都があるキーウ州が26などとなっています。 一方、首都キーウにある聖ソフィア大聖堂を含む、ユネスコの世界遺産に登録されている7つの施設などには、今のところ被害は確認されていないということです。 ユネスコのアズレ事務局長は声明で「文化施設への再三にわたる攻撃は止めなければならない。いかなる状況下でも、文化遺産は標的にされるべきではない」と訴えています。
EUのミシェル大統領はツイッターに「歴史的な瞬間だ」と投稿し、合意を歓迎しました。
声明で会社は「ロシア市場から撤退することを決定した。今後、数か月の間で業務を縮小していくにあたり、従業員への支援を最優先する」と説明しています。 また、自社のロシア語のホームページでは、ウェブサイトやアプリからの商品の注文が今後一切できなくなることや、一時的に閉鎖していた店舗の営業を再開しないことを知らせています。 アメリカメディアによりますと、ナイキは、ロシアでおよそ100店舗を展開していたということです。 ナイキは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けてことし3月、店舗の一時閉鎖などを発表していましたが、戦闘が4か月という長期にわたる中、完全な撤退を決めたとみられます。
地域別では、東部のドネツク州とルハンシク州で2725人、首都のあるキーウ州や東部ハルキウ州など、そのほかの地域で1937人の死亡が確認されているということです。 また、けがをした市民は5803人に上るとしています。 ただ、国連人権高等弁務官事務所は、激しい戦闘が続いた東部マリウポリなどでの死傷者についてはまだ確認が取れていないとして、実際の死傷者数はこれを大きく上回るという見方を示しています。
そのうえで「これらの強力な兵器を提供してくれたことに感謝する。ロシアの侵略者たちにとって夏は暑くなり、彼らの一部にとっては最後の夏になるだろう」としています。 高機動ロケット砲システム=ハイマースは、戦闘が長期化する中、ウクライナ側の要求に応じてアメリカが新たに供与したもので、これまでの兵器と比べて射程が長く、精密な攻撃が可能だとされています。 ウクライナへの軍事支援をめぐっては、ロシアのプーチン大統領は今月5日に放送された国営テレビのインタビューで「もしウクライナに射程の長いミサイルが供与されれば、われわれは攻撃する」と述べ、欧米諸国をけん制しており、今回、供与される兵器の射程はおよそ80キロに制限されているということです。 アメリカのバイデン政権高官は「ロシア国内の標的に向けた攻撃には使わないとの約束をウクライナ側から取り付けている」としているほか、バイデン大統領は先月31日、有力紙、ニューヨーク・タイムズに寄稿し「ウクライナが国境を越えて攻撃することを後押しするわけではないし、可能にすることもない」としてロシアを過度に刺激する意図はないと強調しています。
セベロドネツクで育ったベニアミン・ペックンさん(31)は、ことし3月中旬以降、10人の知人らと、バス5台で、セベロドネツクから西におよそ250キロ離れたドニプロなどへ、住民を避難させる活動に取り組んできたといいます。 こうした活動をする中、町なかでは、常に砲撃の音が聞こえ、危険を感じ続けていたということですが、先月上旬までに、およそ500人を避難させることができたということです。 実際、ペックンさんが先月7日にセベロドネツクで撮影した動画では砲撃の音が鳴り続けていて、この動画の中でペックンさんは「ここにいるのはもう安全ではない」と当時の状況を説明していました。 取材に対してペックンさんは、セベロドネツクの様子について「市街戦も始まり、街じゅう破片だらけになり、車に乗っていてもまっすぐ走れなくなりました。避難した人から、自宅から荷物を取ってきてほしいと依頼されて行きましたが、兵士がいて撃たれるおそれもありました」と話していました。 そのうえで、ペックンさんは「私が育ったセベロドネツクは破壊されましたが、戦争が終わったら、よりよい未来が待っていると信じています」と話していました。
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