熱中症対策に「手のひら冷却」を - Easy News

28日にちは、東京とうきょう都心としんで4日にち連続れんぞくの猛暑もうしょ日びとなるなど、各地かくちで猛烈もうれつな暑あつさとなりました。梅雨つゆ明あけ直後ちょくごは多おおくの人ひとが暑あつさに慣なれていないため、熱中ねっちゅう症しょうのリスクが高たかくなります。

専門せんもん家かは、熱中ねっちゅう症しょう対策たいさくのひとつとして、「手てのひら」などを冷ひやすことが効果こうかがあるとしています。

手てのひらに体温たいおん調整ちょうせいの役割やくわり担になう血管けっかん

体温たいおん調節ちょうせつの仕組しくみに詳くわしい、神戸こうべ女子じょし大学だいがくの平田ひらた耕造こうぞう名誉めいよ教授きょうじゅは「両りょう手てのひらは、面積めんせきが体からだ全体ぜんたいの5％しかないが、AVA＝動静どうせい脈みゃく吻合ふんごう（どうじょうみゃくふんごう）という、体温たいおん調整ちょうせいの役割やくわりを担になう血管けっかんがあり、そこに熱あつい血液けつえきを流ながして、手てのひらから熱ねつを逃にがしている。空気くうき中ちゅうに手てのひらをさらしているだけでも熱ねつは逃にげていくが、冷つめたいものと接触せっしょくさせることで、体温たいおんを早はやく下さげやすくする効果こうかがある」と話はなします。

平田ひらた名誉めいよ教授きょうじゅによりますと、手てのひらや足あしの裏うらのAVAを流ながれる血液けつえきの量りょうは、毛細血管もうさいけっかんを流ながれる血液けつえきに比くらべて1万まん倍ばいほど多おおく、手てのひらや足あしの裏うらを冷ひやすことによって、効率こうりつよく体からだを冷ひやすことができるということです。

練習れんしゅう中ちゅうに手てのひら冷ひやし熱中ねっちゅう症しょう対策たいさく

京都きょうと市し右京うきょう区くにある京都きょうと先端せんたん科学かがく大学だいがくの野球やきゅう部ぶでは、練習れんしゅう中ちゅうの熱中ねっちゅう症しょう対策たいさくとして、大阪おおさかの企業きぎょうが開発かいはつした、1時間じかんから2時間じかんほど冷却れいきゃく効果こうかを保たもつ特殊とくしゅな保冷ほれい剤ざいを手てで握にぎって、体温たいおんを下さげる取り組とりくみを、試験しけん的てきに始はじめています。

まず、学生がくせいたちは練習れんしゅうを始はじめる前まえに保冷ほれい剤ざいを握にぎって手てのひらを冷ひやし、その後そのご、走り込はしりこみなどの合間あいまの休憩きゅうけいのたびに、こまめに手てのひらを冷ひやしていました。

水分すいぶん補給ほきゅうなどと合あわせて行おこなうことで、体温たいおんを下さげて熱中ねっちゅう症しょうのリスクを下さげる効果こうかを期待きたいしているということです。

野球やきゅう部ぶの部員ぶいんは「涼すずしい状態じょうたいで楽らくに運動うんどうができました」と話はなしていました。

京都きょうと先端せんたん科学かがく大学だいがく野球やきゅう部ぶの梶田かじた和宏かずひろコーチは「短みじかい時間じかんで簡単かんたんに体温たいおんを下さげられるのがいい。学生がくせいたちが熱中ねっちゅう症しょうの対策たいさくをしながら上手じょうずに部ぶ活動かつどうをするうえで、強力きょうりょくなサポーターになってくれると思おもいます」と話はなしていました。

冷ひやしすぎには注意ちゅうい

神戸こうべ女子じょし大学だいがくの平田ひらた名誉めいよ教授きょうじゅによりますと、手てのひらなどを冷ひやす際さいには、氷こおりなど10度どを下回したまわる冷つめたすぎるものではなく、15度ど程度ていどのものを使つかうとよいそうです。

AVAを冷ひやしすぎてしまうと、たくさんの血液けつえきを流ながすために拡張かくちょうしていた血管けっかんが、逆ぎゃくに収縮しゅうしゅくしてしまうことがあり、熱ねつを発散はっさんしにくくなるということです。

平田ひらた名誉めいよ教授きょうじゅは「水道すいどう水すいを洗面せんめん器きなどにためて、そこに手てや足あしを入いれるだけで、十分じゅうぶん、効果こうか的てきに体温たいおんを下さげることができる」と話はなしていました。

“体からだの反応はんのうが真夏まなつほど追おいついていない”

平田ひらた名誉めいよ教授きょうじゅは、梅雨つゆが明あけたばかりで厳きびしい暑あつさが続つづく今いまの季節きせつの注意ちゅうい点てんとして「6月つきや7月つきの上旬じょうじゅんというのは、すでに非常ひじょうに暑あつくなっているにもかかわらず『血液けつえきをたくさん流ながそう、たくさん汗あせを出だそう』という、暑熱しょねつ順化じゅんかといわれる体からだの反応はんのうが、真夏まなつほど追おいついていないため、注意ちゅういする必要ひつようがある」と指摘してきしています。

そのうえで「暑熱しょねつ順化じゅんかが追おいついていないことを自覚じかくしたうえで、積極せっきょく的てきにエアコンを使つかうとか、水分すいぶん補給ほきゅうを積極せっきょく的てきにするとか、早はやめ早はやめに対策たいさくしてほしい」と呼よびかけています。