しかし、急速きゅうそくに進すすむ円えん安やすの影響えいきょうで、仕入しいれ価格かかくが2割わり上昇じょうしょう。アルミや鉄てつなどの原材料げんざいりょう価格かかくも高騰こうとうしていて、収益しゅうえきが圧迫あっぱくされています。

メ－カーでは販売はんばい価格かかくへの転嫁てんかを検討けんとうしていますが、義足ぎそくなどの部品ぶひんの価格かかくを値上ねあげするには、国くにの認可にんかを得える必要ひつようがあります。

仮かりに認みとめられたとしても実際じっさいに値上ねあげできるのは来年らいねん4月つき。現状げんじょうは企業きぎょう努力どりょくでコスト削減さくげんを図はかりながらやりくりしていくしかないといいます。

中小ちゅうしょうメーカーの経営けいえいに重おもくのしかかる輸入ゆにゅう物価ぶっかの高騰こうとう。短期間たんきかんに急激きゅうげきに円えん安やすが進すすむ中なか、企業きぎょうの中なかには対応たいおうが間に合まにあわないところも出でてきています。

そして、上半期かみはんき最終さいしゅう日びの30日にち午後ごご5時じ時点じてんの円えん相場そうばは、1ドル＝136円えん19銭せんから21銭せんでした。115円えん台だい前半ぜんはんだった去年きょねんの年末ねんまつから半年はんとし間かんで、およそ21円えんもの値下ねさがりです。

毎まい営業えいぎょう日びの記録きろくが残のこる日銀にちぎんの1998年ねん以降いこうの午後ごご5時じ時点じてんのデータでみると、半年はんとし間かんの値下ねさがり幅はばとしては最大さいだいとなりました。

短たん期間きかんでこれだけ円えん安やすが進すすんだ背景はいけいには、日にち米べいの金融きんゆう政策せいさくの方向ほうこう性せいの違ちがいがあります。

インフレ抑制よくせいのため、金融きんゆう引き締ひきしめを急いそぐアメリカでは金利きんりが上昇じょうしょう。これに対にたいし、日銀にちぎんは大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわで金利きんりを抑え込おさえこんでいます。

金利きんり差さが拡大かくだいする構図こうずは当面とうめん、変かわらないという見方みかたから、より利回りまわりが見込みこめるドルを買かって円えんを売うる動うごきが続つづいてきました。

市場しじょう関係かんけい者しゃ1

「アメリカの急速きゅうそくな利上りあげに伴ともなう日にち米べいの金利きんり差さ拡大かくだいによって円えん安やすドル高だかが進行しんこうし、年内ねんないに1ドル＝145円えんまで円えん安やすが進すすむ可能かのう性せいがあると見みている。来年らいねん以降いこうはアメリカの景気けいきの減速げんそく感かんが強つよまり、アメリカの利下りさげが意識いしきされれば、ドル円えんは反転はんてんするだろう。そして来年らいねんの後半こうはんには、日銀にちぎんの金融きんゆう政策せいさくの修正しゅうせいなどにより、日本にっぽんの金利きんりが上昇じょうしょうし、1ドル＝133円えん程度ていどになるとみている」

市場しじょう関係かんけい者しゃ2

「FRBがインフレ抑制よくせいに本腰ほんごしを入いれ、市場しじょうで大幅おおはばな利上りあげが織り込おりこまれる一方いっぽう、日銀にちぎんは金融きんゆう緩和かんわの維持いじに強つよい姿勢しせいを示しめしているため、円えん安やすドル高だかが進すすむ余地よちが拡大かくだいし、年内ねんないに1ドル＝142円えんまで円えん安やすが進すすむ可能かのう性せいがある。ただ、アメリカの景気けいきはこの先さき、大幅おおはばな利上りあげによって減速げんそくが見込みこまれ、人手ひとで不足ふそくなどの供給きょうきゅう制約せいやくが徐々じょじょに解消かいしょうされることで、インフレはいくらか落ち着おちつくのではないか。来年らいねんは円えん高だかドル安やす方向ほうこうになりやすくなると思おもう」

市場しじょう関係かんけい者しゃの間までは、年内ねんないにもう一段いちだん、円えん安やすが進すすむという見方みかたが多おおくなっています。

食料しょくりょうやエネルギーなどを輸入ゆにゅうに頼たよる日本にっぽんでは、輸入ゆにゅう物価ぶっかを押し上おしあげる円えん安やすは、私わたしたちの生活せいかつに大おおきな影響えいきょうを与あたえます。

それだけに、為替かわせ相場そうばの変動へんどうや中央ちゅうおう銀行ぎんこうの動うごき、潮目しおめの変化へんかを注意深ちゅういぶかく見みていく必要ひつようがありそうです。