これに対し、籠池氏は「安倍総理大臣に直接お願いしたことは一切ないが、昭恵夫人を通じていろいろなことを相談したことはある。小学校について『このような副読本はどうだ』とお見せしたこともあるし、『こういうカリキュラムだ』と話したこともある。一つ一つ教育的なことをお願いした」と述べました。
また、籠池氏は、みずからが主張している昭恵氏から寄付金100万円を受け取った際の状況をめぐり、西田氏が、昭恵氏から事情を聞いたところ同行した政府職員と一緒にいて1人になっていないと話していると指摘したのに対し、「その話は違っている。私と夫人と秘書の方がいたが、秘書の方は直前に人払いをされたので2人だった」と述べました。
さらに、籠池氏は「小学校建設の資金調達にあたって、政治家の口利きがあったのか」と質問されたのに対し、「この土地が出てきたときに、『いいものが出てきたな』と思った。近畿財務局にお願いしに行ったが、一民間人が行くだけではどうしようもないため、ご紹介いただいて、行かせていただいた。しかし、土地の定期借地の金額も結果として高止まりになっている。皆さんが思っているお金を呈しての口利きはなかったというふうに思っている」と述べました。
さらに、籠池氏は「安倍晋三記念小学校」の名称を使って学校開設のための寄付金集めを行っていたことについて、「昭恵夫人を通じて再三やり取りし、その中で『安倍晋三記念小学校』としたいという認識をした。時期は覚えていないが、昭恵夫人から『それはご遠慮いただきたい』ということだったので、それ以降は使っていない」と述べました。
これに関連し、西田氏が「安倍総理大臣の秘書と電話をした際に、あなたは『安倍晋三小学校の冠は、ほんの一時、1日、2日しか使用していない』と述べたが、実際には長い間出ている」として、電話内容の記録の公表に同意を求めたのに対し、籠池氏は「そんなことはなく、ほんの一瞬だ」と述べたうえで、公表を拒否しました。
さらに、西田氏が、籠池氏の夫人と昭恵氏との間でやり取りしたメールの内容を公開することに許可を求めたのに対し、「メールは家内のものだが、私はいいと思っている」と述べました。
民進党の福山哲郎氏は「昭恵夫人の携帯に電話してお願いごとをして、FAXで、昭恵氏を補助する職員から『難しい』と返事を受けたと証言しているが、国有地の問題についてのお願いをしたということか」とただしました。
これに対し、籠池理事長は「そうだ。電話したのは私で、国有地のことについてお願いしたのは1回きりだったと記憶している」と述べました。そのうえで、籠池氏は、昭恵氏側から回答を受けたことを証明できる証拠はあるかを問われ、「いただいたFAXが残っている」と述べました。
また、昭恵氏が学校法人の施設で講演したことに関連して、福山氏が「昭恵氏に講演してもらった際に、講演料として10万円を渡したという話があるが」と質問したのに対し、籠池氏は「10万円の講演料も先に用意していたので、帰るときに渡し、お持ち帰りいただいた」と述べました。
籠池氏は、稲田防衛大臣との間で顧問弁護契約があったのかや、直接、法律相談をしたことがあるのかを問われ、「稲田先生の事務所と顧問契約は結んでおり、今回の土地の事柄についても、事務所に平成28年1月に相談に行った」と述べる一方、国有地をめぐって稲田大臣と直接やり取りをしたことはないと証言しました。
公明党の竹谷とし子氏は「籠池氏は、100万円の寄付金を受け取ったとしているが、お礼状は出していないのか。また、寄付金が入った封筒は今は残っていないのか」とただしました。
これに対し、籠池氏は「『匿名にしてほしい』ということで、お礼状は出していない。封筒は残っていない」と述べました。
さらに、籠池氏は、学園側が小学校の名称に安倍総理大臣の名前を入れて一時、寄付金を募っていたことについて、「安倍総理大臣の許可は得ていない」と述べました。一方、籠池氏は「本人の許可を得ないで寄付を募るのは詐欺ではないのか」と問われたのに対し、「詐欺ではないと思う」と述べました。
また、籠池氏は、小学校の開校をめぐり、「愛知県内の中学校に推薦入学枠を提供することで合意している」と大阪府に報告し、その後訂正したことについて、「おととし6月にJR東海の葛西名誉会長と面談したときのリップサービスをそのまま信じ込んで記入してしまった」と説明しました。さらに籠池氏は「金額が異なる3通の契約書のうち、どれがいちばん正しいのか」と質問されたのに対し、「刑事訴追を受ける可能性があるので控えさせていただく」と述べ、証言を拒否しました。
共産党の小池晃氏は「『大阪府の設置認可基準の規制緩和に4年ほどかかった』と言ったが、これに関して政治家に協力をお願いしたことはあるか」とただしました。
これに対し、籠池氏は「東徹議員だ」と述べ、参議院大阪選挙区選出で日本維新の会の東徹参議院議員に協力を依頼したと証言しました。
さらに、小学校の認可や国有地の購入に関して、ほかに声をかけた政治家を問われ、自民党の北川イッセイ氏や柳本卓治氏の名前を挙げました。
一方、籠池氏は、小学校の名誉校長への就任を依頼したときの昭恵氏の様子について、「1秒ほど止まっていたが、すぐに即断してもらった」と述べました。
日本維新の会の浅田均氏は、小学校の設置認可について、「平成26年10月31日に認可申請書が大阪府に提出された中、『自民党の府議会議員だった畠成章氏に動いてもらった』などと証言しているが、畠氏は、同じ年の9月18日に亡くなっており、どう動いてもらったのか」とただしました。
これに対し、籠池氏は「申請するところまでが非常に重要であり、行政が申請書を受け取ってくれるかどうかが大きなポイントになる。畠氏は、9月に亡くなったが、それまでは、いろいろと私の考え方とか悩み事も聞いていただき対応していただいた」と述べました。
浅田氏は、籠池氏が松井知事の対応を批判するなどしていることを踏まえ、最後に、真相究明に向け、松井一郎大阪府知事を証人喚問するよう求めました。
自由党の山本太郎氏は、昭恵氏が小学校の名誉校長に就任していたことについて、「入学を検討する保護者も含めて、世間的にも信用につながったと思うか」と質問したのに対し、「確かにその部分は大きかったと思う」と述べました。
参議院の会派「無所属クラブ」の松沢成文氏は、小学校の認可などをめぐり、「大阪府議会議員に、松井知事への口利きを依頼したことはあるか」と質問しました。
これに対して、籠池氏は「していない」と述べました。さらに、籠池氏は「昭恵夫人に、安倍総理大臣を通じて大阪府知事にお願いしてほしいという話をしたことはあるか」と問われたのに対し、「その点についてはしていない」と述べました。
一方、籠池氏は、鴻池元防災担当大臣との面会について、「『麻生副総理兼財務大臣にお伝えくださいませんか』と言ったことはあるが、麻生副総理には伝わっていなかったと思う」と述べました。