27日午前、
栃木県那須町にある
スキー場付近で
雪崩が
起きて、
登山の
講習を
受けていた
山岳部の
高校生と教員が
巻き込まれ、
県の
災害警戒本部によりますと、
高校生8人が
心肺停止の
状態になっています。このほか、
少なくとも
合わせて
8人がけがをしていて、
警察と
消防は、ほかにもけがをした
人がいないか
確認を
進めています。
27日午前9時20分ごろ、
栃木県那須町にある
那須温泉ファミリースキー場の
付近で
雪崩が
起きて、
登山の
講習を
受けていた
県内の
高校の
山岳部の
生徒や
教員が
巻き込まれました。
県の災害警戒本部によりますと、このうち県立大田原高校の生徒8人が心肺停止の状態になっているということです。
このほか、少なくとも合わせて8人がけがをしているということです。この中にはけがの程度が重い生徒も含まれているということです。また、軽いけがをしている生徒は多数に上っているということで、警察や消防は、けがの程度の確認を進めるとともに、雪崩が起きた時の状況を調べています。
県の教育委員会によりますと、当時、現場では、栃木県内の7つの高校の山岳部の生徒と教員、合わせて63人が参加して合同で登山の講習を受けていたということです。
那須高原に設置している観測点では、27日未明から雪が積もり始め、午前9時の積雪は33センチとなっていて、気象庁は、那須町などに大雪や雪崩の注意報を発表して注意を呼びかけていました。
栃木県教育委員会によりますと、生徒たちが参加した「春山安全登山講習会」は栃木県高等学校体育連盟が開いていたもので、7つの高校の生徒52人と教員11人の合わせて63人が参加していたということです。
講習会は、25日から27日までの2泊3日の日程で、雪が積もる時期の安全な登山の知識や技術の習得を目的に開かれ、主催者は4月と5月に登山を計画している学校は必ず受講するように呼びかけていました。
主催者側が参加する高校宛てに事前に配付していた案内によりますと、27日は雪上訓練として、午前7時から午前11時まで学校別に茶臼岳の登山を行う予定になっていました。また、同じ案内には講習会に参加するための装備として、「ザイル」や「カラビナ」、「ピッケル」などを持参するよう記されていました。
雪上訓練は登山の経験の豊富な教員が引率し、安全の確保をしていたということで、県教育委員会は当時の状況について確認を急いでいます。
今回の講習会に参加していた男子高校生が電話取材に応じました。
この男子生徒によりますと、講習3日目の27日は雪が多く、この生徒の班では、それに対応する装備が整わなかったため訓練に参加せず、26日から泊まっているテントの中で待機していたということです。男子生徒は、「昨夜からけさにかけて雪が多く降り積もり、けさは膝下10センチまで積もっていた。きょうは茶臼岳の頂上に登る予定だったが、積雪量が多かったことから先生の判断で近くのスキー場で訓練をすることになった」と27日朝の訓練の状況を説明しました。
そして、雪崩が起きた時のことについては「自分たちのテントから100メートルほど離れた場所で雪崩が起きた。人が『オーイ』と叫ぶ声が聞こえ、その後、サイレンの音やヘリコプターの音が聞こえた」と話しました。
この生徒は、26日は雪崩の起きやすい場所を確かめたり、命綱を使った練習を行ったりしたということで、「自分が参加していた講習会でこうした事態が起きて、最初は実感がわかなかったが、友人と数時間連絡が取れず、やはり山は怖いなと思わされた」と話していました。