栃木県那須町で
登山の
訓練をしていた
高校生らが
雪崩に
巻き込まれ
8人が
死亡した
事故から
1週間、
現場は
雪崩の
危険箇所だったものの、
引率した
教員は、
経験上、
雪崩が
起きやすい
場所を
把握しており
問題ないとして、
訓練を
行ったことがわかっています。
警察は、
訓練の
前に
雪崩の
危険性を
調べるテストを
行ったのかなど、
教員らから
聞き
取りを
進め、
安全管理に問題がなかったか
調べています。
先月27日午前8時半ごろ、
栃木県那須町の
茶臼岳で、
7つの高校の
山岳部の
生徒らが
雪崩に
巻き込まれ、
大田原高校の
生徒ら
8人が
死亡し、
40人がけがをしました。
警察の検証で、雪崩は茶臼岳の「天狗鼻」と呼ばれる付近で発生し、長さ160メートルにわたって流れ下ったことがわかっています。
林野庁によりますと、事故が起きた付近は「雪崩危険箇所」だったということですが、引率した教員のうち責任者の1人は、経験上、雪崩が起きやすい場所は認識しており、そこに近づかなければ絶対安全だと判断したとして、ほかの教員2人と話し合い、雪をかき分けて進むラッセルの訓練を行ったと説明しています。
警察は、訓練の前に雪崩の危険性がないか雪の状態を調べる「弱層テスト」を行ったかや、隊列の中で生徒と教員がどのような位置関係で並んでいたのかなどについて、引率した教員や参加した生徒から聞き取りを進め、安全管理に問題がなかったか調べています。
知人ら献花台訪れ犠牲者を悼む
雪崩が起きた現場近くにある栃木県那須町のスキー場には、事故から1週間となる3日も午前中から多くの人が訪れ、ゲレンデの手前に設けられた献花台に花を手向けて犠牲者を悼んでいます。
亡くなった大田原高校の生徒、鏑木悠輔さん(17)と家族ぐるみで交流していたという那須町の53歳の男性は「葬儀に参列できなかったので、手を合わせに来ました。事故はとても残念で言葉になりません。私も登山をするので、何か力になれなかったのかと無念の思いです」と話していました。
亡くなった大田原高校の教員、毛塚優甫さん(29)の父親の知り合いで宇都宮市に住む62歳の男性は「栃木県の財産でもある、すばらしい子どもたちと先生が亡くなり、本当に残念です。かわいそうで気の毒で、安らかに眠ってもらいたいと思います」と話していました。
また、栃木県矢板市に住む大田原高校の卒業生の56歳の男性は「犠牲になったのは高校の後輩たちですし、私にも同じ年頃の子どもがいます。亡くなった皆さんは無念だったでしょうし、ご家族も大変な思いをされていると思います」と話していました。
雪崩事故で、当時、救助にあたった地元の消防隊員たちが雪崩の発生時刻に合わせて8人の犠牲者に黙とうをささげました。
栃木県大田原市にある那須地区消防組合の消防本部では3日、年度初めの辞令交付式が行われ、およそ100人の職員が
集まりました。午前8時半から始まった式では冒頭、雪崩の発生時刻に合わせて雪崩に巻き込まれて亡くなった8人を悼んで、全員で1分間の黙とうをささげました。
続いて津久井富雄組合長が訓示を行い、「現場の条件が厳しい中、救助活動を行ったが、残念ながら8人の尊い命が失われました。最前線で生命を守る皆さんには、今後もそれぞれの立場で創意工夫を行い、1人でも多くの命を救えるよう職務の遂行に万全を期してほしい」と述べました。