内戦が
続くシリアで化学兵器が
使われた
疑いが
強まる
中、
国連の
安全保障理事会で
緊急の
会合が
開かれましたが、
誰が
攻撃を
行ったかについて
欧米と
ロシアの
主張が
真っ向からぶつかり、
欧米が
提案した非難決議案のこの
日の
採決は
見送られました。シリアでは、
北西部イドリブ県の
反政府勢力が
支配する
町で
4日、
激しい
空爆があり、
少なくとも
72人が
死亡しました。
現場で医療活動を行っているNGOは、住民の症状から猛毒のサリンなどの神経ガスが使われた可能性が高いとの見方を示しています。
国連の安全保障理事会は日本時間の5日夜遅くから緊急の会合を開き、アメリカのヘイリー国連大使が「きのう起きたことは化学兵器を使うアサド政権の特質を示している」と述べてアサド政権による攻撃だと非難しました。
これに対しロシアのサフロンコ次席国連大使は「シリア軍は反政府勢力が化学兵器を保管している倉庫を空爆したにすぎない」と述べて化学兵器を保有していたのは反政府側だと出張し、双方の主張が真っ向からぶつかりました。
アメリカはイギリス、フランスと共同で、化学兵器の使用を非難したうえでアサド政権に対し、真相究明に向けた調査への協力を求める決議案を提出していましたが、ロシアが拒否権をちらつかせたためこの日の採決は見送られました。
イギリスのライクロフト国連大使は「すべての国が一緒になってこの攻撃を非難し、適切な調査が行われることを望んでいる」と述べて、引き続きロシアとの調整を図る姿勢を示しました。
しかし、双方の主張の隔たりは大きいままで、化学兵器による深刻な被害を前に一致した行動をとれない安保理の限界が改めて浮き彫りになっています。