領空侵犯のおそれがある
国籍不明機に対する
自衛隊機のスクランブル=
緊急発進が、
昨年度は
冷戦時代を
大幅に
上回って
1100回以上に
上り、
過去最多になったことが
防衛省のまとめでわかりました。
特に
中国機への
対応が
多く、
防衛省は
警戒と
監視を
続けています。
防衛省によりますと、
航空自衛隊の
戦闘機が
昨年度に
行ったスクランブル=
緊急発進は
1168回で、
前の
年より
295回増えました。
これまでは、旧ソビエト機が活発だった東西冷戦時代の昭和59年度に確認された944回が最多でしたが、昨年度はこれを224回上回り、過去最多になりました。
国や地域別では、最も多かったのが中国機に対するもので、前の年より280回増えて851回となり、全体の73%を占めました。
次いでロシア機が前年よりわずかに多い301回、26%でした。
緊急発進の回数は冷戦の終結後に減少し、一時、年間150回前後になりましたが、この10年余りで8倍ほどに増えています。
防衛省は、経済発展とならんで国防の強化を重要課題と位置づける中国が、海洋進出を強めていることが背景にあるとして、目的を分析しています。
自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長は「中国機の活動の回数、範囲、時間が非常に増えており、中国軍の近代化の動向を考えるとこの傾向が続くと考えている」と述べ、警戒と監視を続ける考えを示しました。