熊本県で、
水俣病が
公式に
確認されてから
61年になる
1日、
犠牲者の
慰霊式が
水俣市で
行われ、
患者や
遺族の
代表が
高齢化が
進む
中、
支援の
必要性を
訴えました。
四大公害病の
1つ、水俣病は
61年前、
熊本県水俣市の
医師が、
突然歩けなくなるなどの
症状が
出た
姉妹を
保健所に
届け出た
1日が、
公式確認の
日とされます。
1日行われた慰霊式には患者や遺族をはじめ、山本環境大臣や、原因企業のチッソの関係者など、合わせておよそ700人が出席しました。
はじめに、この1年で新たに亡くなった患者2人の名簿が慰霊碑に納められ、全員で黙とうをささげました。そして、患者や遺族を代表して、母親のおなかの中にいたときに水俣病になった滝下昌文さん(60)が「これまで支えてくれた親、家族を亡くした仲間もいて、これからの生活に大きな不安を抱えています」と述べ、高齢化が進む患者に対する支援の必要性を訴えました。
これに対し、山本環境大臣が被害の拡大を防げなかったことを謝罪したうえで、「高齢化する被害者と支える家族が、安心して暮らせる社会を実現できるよう責任を持って取り組んでいきたい」と述べました。
水俣病の患者をめぐっては、熊本と鹿児島の両県で先月までに認定された、合わせて2282人のうち、1909人が亡くなっています。また、両県で依然2104人が患者としての認定を求めて審査を待っているほか、1510人が原因企業のチッソや国、熊本県に損害賠償を求めて裁判を続けています。
水俣病の認定求める申請は今も続く
環境省によりますと、国の基準を基に、これまでに水俣病と認定された患者は、ことし3月末時点で熊本県で1789人、鹿児島県で493人、新潟県で705人で、3つの県で合わせて2987人となっています。
認定された患者には、昭和48年に原因企業と患者団体の間で結ばれた補償協定を基に、慰謝料や医療費などが支払われます。
一方、認定されなかった未認定患者については、国などを相手取った訴訟が増加したことなどから、政府は2度にわたって救済策を打ち出し、平成7年と22年に原因企業から、合わせておよそ4万3400人に一時金が支払われました。
しかし、その後も救済の対象とならなかった人などの訴えが相次ぎ、今も1600人以上が国などを相手取って裁判を続けています。さらに昨年度は、415人が行政に水俣病の認定を求める申請を新たに行っていて、審査結果を待つ人の数は、ことし3月末時点で熊本県で1146人、鹿児島県で958人、それに新潟県で164人の合わせて2268人に上っています。