メタンハイドレートからガス採取さいしゅ ４よん年ねんぶり成功せいこう

メタンハイドレートは、天然てんねんガスと水みずが結むすびついてシャーベットのような状態じょうたいになった天然てんねん資源しげんで、日本にっぽん近海きんかいに広ひろく分布ぶんぷしていると見みられ、純じゅん国産こくさんのエネルギーとして実用じつよう化かが期待きたいされています。

この海域かいいきには、国内こくないの天然てんねんガス使用しよう量りょうの１いち０ぜろ年ねん分ぶんに相当そうとうするガスを含ふくむメタンハイドレートがあると試算しさんされていて、４よん年ねん前まえに世界せかいで初はじめてガスの取り出とりだしに成功せいこうしましたが、ガスを引き上ひきあげるパイプに砂すなが入はいるトラブルがあり、６ろく日間にちかんで作業さぎょうを終了しゅうりょうしています。

今回こんかいは、パイプの周まわりに特殊とくしゅな合成ごうせい素材そざいを巻まきつけるなどの対策たいさくをとり、およそ１いちか月かげつ間かん、ガスを連続れんぞくして取り出とりだせるか、調しらべることにしています。

国くには、来らい年度ねんどをめどにガスを取り出とりだす基礎きそ的てきな技術ぎじゅつをまとめたい考かんがえで、商業しょうぎょう生産せいさんの実現じつげんに向むけては、コストを大幅おおはばに下さげたうえで、ガスを安定あんてい的てきに採取さいしゅする技術ぎじゅつを確立かくりつできるかが課題かだいとなります。

純じゅん国産こくさんの新しんエネルギー資源しげんとして期待きたい

メタンハイドレートは、メタンガスと水みずが結むすびついてシャーベット状じょうになった物質ぶっしつで、「燃もえる氷こおり」とも呼よばれています。

日本にっぽん近海きんかいの海底かいていや、さらに深ふかい地層ちそうに分布ぶんぷしていると見みられていて、今回こんかい、試験しけんが行おこなわれている愛知あいち県けんと三重みえ県けんの沖合おきあいの海域かいいき以外いがいにも、新潟にいがた県けんの上越じょうえつ沖おきでは、メタンハイドレートを含ふくむ地質ちしつのサンプルが採取さいしゅされたほか、北海道ほっかいどうの日高ひだか沖おきなどでもメタンハイドレートがある可能かのう性せいを示しめす地質ちしつ構造こうぞうが確認かくにんされています。

中なかでも愛知あいち県けんと三重みえ県けんの沖合おきあいの海域かいいきは、まとまった量りょうのメタンハイドレートが確認かくにんされていて、ガスの量りょうは国内こくないの天然てんねんガスの使用しよう量りょうのおよそ１いち０ぜろ年ねん分ぶんに相当そうとうするという試算しさんもあります。メタンハイドレートは、純じゅん国産こくさんの新あらたなエネルギー資源しげんとして期待きたいが寄よせられています。

商業しょうぎょう生産せいさんの実現じつげんには課題かだい山積やまづみ

メタンハイドレートの商業しょうぎょう生産せいさんの実現じつげんには、課題かだいが山積やまづみです。

１ひとつはガスを取り出とりだす技術ぎじゅつの確立かくりつです。今回こんかい、試験しけんが行おこなわれている海域かいいきでは、４よん年ねん前まえに海底かいていのメタンハイドレートからガスの取り出とりだしに成功せいこうしましたが、パイプに砂すなが詰つまるトラブルが発生はっせいし、２に週間しゅうかんを予定よていしていた作業さぎょうを６ろく日にちで打ち切うちきらざるをえなくなりました。商業しょうぎょう生産せいさんでは、長期ちょうき間かんにわたってガスを安定あんてい的てきに取り出とりだす技術ぎじゅつが不可欠ふかけつで、さらなる研究けんきゅう開発かいはつが必要ひつようです。

また、今回こんかい、試験しけんが行おこなわれている愛知あいち県けんと三重みえ県けんの沖合おきあいでは、メタンハイドレートが地層ちそうと地層ちそうの間まを埋うめるように広ひろく分布ぶんぷしていますが、日本海にほんかい側がわの海底かいていでは、海底かいてい付近ふきんに塊かたまりとなって点在てんざいしていて、どのようにガスを取り出とりだすかは、まだ研究けんきゅう段階だんかいです。

さらに、生産せいさんコストの引き下ひきさげも課題かだいです。アメリカではシェールガスの生産せいさんが各地かくちで広ひろがっていて、今後こんご、アメリカ政府せいふが輸出ゆしゅつを強化きょうかした場合ばあい、日本にっぽんは今いまよりも安やすく天然てんねんガスを輸入ゆにゅうできる可能かのう性せいがあります。一方いっぽう、メタンハイドレート由来ゆらいのガスの価格かかくは、今いまのところ試算しさんはありませんが、商業しょうぎょう生産せいさんの実現じつげんには、シェールガスなど、輸入ゆにゅうする天然てんねんガスと比くらべてコストをどれだけ抑おさえられるかが課題かだいとなりそうです。