中国の
北京で
民主化を
求める
学生らの運動が
武力で
鎮圧され、
大勢の
死傷者が
出た
天安門事件から
28年となった
4日、
香港で
恒例の
追悼集会が
開かれ、
参加者たちが
中国政府に対し、
人権問題に
取り組む
弁護士などへの
締めつけをやめるよう
訴えました。これは
当時の
民主化運動を
香港で
支援した
元学生などで
作る
団体が
毎年開いているもので、
香港中心部の
公園には
4日夜、
団体の
発表で
去年より
1万5000人少ないおよそ
11万人が
集まりました。
参加者は事件の犠牲者を悼んで黙とうを行い、中国政府に対し、一部の学生らによる「暴乱」とした事件の評価を見直すよう求めました。
また、事件で当時24歳だった息子を亡くした83歳の女性が中国本土からビデオメッセージを寄せ、「息子を思う気持ちは28年間、一日たりともやんだことはなく、年を重ねるごとに強くなっていきます」と心境を伝えました。
中国では去年、政府に陳情する人たちを支援してきた人権派の弁護士が、国家を転覆しようとした罪で懲役7年の実刑判決を言い渡されるなど、市民活動への締めつけが強まっています。
参加者は拘束された人々の釈放を求め、中国政府に締めつけをやめるよう訴えていました。
中国本土から香港に移住した72歳の男性は「一党独裁が続く中国では市民に自由はありません。中国のために香港市民が立ち上がらなければなりません」と話していました。
追悼集会の見直し求める若者も
ことしの追悼集会は、香港の各大学の学生会がそろって参加を見送り、参加者は主催団体の発表でおよそ11万人と、3年連続で前の年を下回りました。
背景には、中国の民主化を訴えてきた追悼集会に対する若者たちの意識の変化があります。
香港では3年前、若者が民主的な選挙を求めて中心部の道路を占拠した大規模な抗議活動が強制的に強制排除されたあと、中国政府の影響力が一層強まりました。
このため、中国本土よりも香港への帰属意識が強い若者の間では、中国本土の民主化より香港の民主化を優先すべきだという考えが広がりました。
香港大学では4日、追悼集会を前に、これまでの集会の在り方を見直そうという討論会が開かれ、学生などおよそ300人が集まりました。
この中で、若者の代表は「28年間も中国の民主化を求めて、何も変わらないどころか、むしろ中国が香港を変えようとしている。私たちは、今ある自由を香港が生き延びるために用いるべきだ」と主張しました。
これに対し、追悼集会を主催する市民団体の幹部は「中国本土の市民も香港市民も、同じ共産党政権と対じしている。双方の市民が協力してこそ道は開けるはずだ」と述べ、活動に理解を求めました。