ミャンマー
西部で
少数派のイスラム
教徒の
武装勢力に対し
治安部隊が
掃討作戦を
続け、
周辺の
住民にも
被害が
広がっている
問題で、インドネシアのルトノ
外相がミャンマーのアウン・サン・スー・チー
国家顧問に対し、
武力行使を
控えるよう
求めるなど、
国際的な
批判が
高まっています。ミャンマー
西部ラカイン
州では
治安部隊が
先月からロヒンギャと
呼ばれる
少数派のイスラム
教徒の
武装勢力に対する
掃討作戦を
続け、
治安部隊と
武装勢力の
双方に
多くの
死傷者が
出ています。
被害は
戦闘に
関わっていない
住民にも
広がっていて、
国連の
推計では
隣国のバングラデシュに
避難したロヒンギャの
住民の
数は
3日までに
7万3000人にのぼりました。
こうした中、世界で最も多くのイスラム教徒が暮らすインドネシアのルトノ外相は4日、ミャンマーの首都ネピドーでアウン・サン・スー・チー国家顧問と会談しました。このなかでルトノ外相は武力行使の自粛とロヒンギャの人たちにインドネシアをはじめ外国などからの支援物資が円滑に届けられるよう協力することなどを求めたということです。
一方、ミャンマー政府はスー・チー国家顧問がどのように答えたのかは明らかにしていません。
ラカイン州でのミャンマー政府の対応をめぐっては国連のグテーレス事務総長も「人道上の大惨事を防ぐために自制を求める」と述べるなど国際的な批判が高まっています。
インドネシアでは抗議活動が続く
ロヒンギャの人たちへの人道上の懸念が高まるなか、マレーシアや世界で最も多くのイスラム教徒が暮らすインドネシアではミャンマー政府に対する抗議活動が連日続いています。
このうちインドネシアでは4日、イスラム団体のメンバーら数百人がジャカルタのミャンマー大使館の前に集まり、掃討作戦を直ちに中止するよう訴えるとともに、インドネシア政府に対してもこの問題に積極的に介入し、調停に乗り出すよう求めていました。インドネシアのジョコ大統領が今回、ルトノ外相をミャンマーに派遣した背景にはロヒンギャをめぐる問題にインドネシアが積極的に関与する姿勢を国の内外にアピールする狙いもあると見られます。
マララさんも非難 スー・チー氏に行動呼びかけ
この問題について2014年にノーベル平和賞を受賞したパキスタン出身のマララ・ユスフザイさんが3日、公式のツイッターで声明を出し、ミャンマー政府の対応を非難するとともに同じノーベル平和賞受賞者であるアウン・サン・スー・チー国家顧問に行動を呼びかけました。
声明でマララさんは「ロヒンギャのニュースを見るたびに胸が張り裂けそうな気持ちになる」としたうえで「ミャンマー軍に殺された幼い子どもの写真を見たが、子どもたちは誰も攻撃していない。今すぐ暴力をやめるべきだ」として、ミャンマー政府の対応を非難しました。そのうえで「私と同じノーベル賞受賞者のスー・チー氏の行動を待っている。世界中の人たちやロヒンギャの人たちも同じ気持ちだ」としてスー・チー国家顧問に行動を呼びかけました。