国連の
WFP=世界食糧計画などは、
世界で
飢えに
苦しむ
人は
去年、
3800万人増えて
8億1500万人にのぼったという
報告書を
発表し、
背景には
各地で
相次ぐ
紛争や
地球温暖化の
影響があるとして
国際社会にさらなる
取り組みを
呼びかけています。
WFPや
ユニセフ=国連児童基金などは
15日、
去年1年間の
世界の
食糧事情に関する
報告書を
発表しました。
それによりますと、世界で必要な栄養を毎日の食事から摂取できず飢えに苦しむ人の数は、去年、8億1500万人に上ったと推計していて、前の年より3800万人増えています。飢えに苦しむ人の数はこの10年ほど減少傾向が続いていましたが、2年前に増加に転じ、今回は大幅な増加となっています。
増加の背景について報告書では、中東やアフリカなど各地で内戦や紛争が相次いでいることに加え、地球温暖化の影響による干ばつや洪水の発生などが、状況をより悪化させていると指摘しています。
また、通常より背が低いなど発育が遅れている5歳未満の子どもは1億5500万人に上り、このうち75%が紛争の影響を受ける地域に集中しているということです。
報告書をまとめたWFPなどは、「無視してはならない事態だという警鐘だ。飢えを終わらせるためには、平和で誰もが受け入れられる社会の実現が不可欠だ」として国際社会にさらなる取り組みを呼びかけています。