小説家の
池澤夏樹さんが
書き下ろした
狂言が、
野村萬斎さんの
主演で
上演されることになり、
池澤さんは記者会見で「
自分の
狂言を
上演でき、こんなに
楽しいことはない。ぜひ
多くの
人に
観てほしい」と
意気込みを
語りました。
上演が
決まったのは
池澤さんが
25年前に
発表した「
鮎」という短編小説をもとにした
作品で、
狂言の
脚本も
池澤さんが
初めて
書き下ろしました。
海外の民話をもとにした2人の男性をめぐる不思議な物語で、狂言師の野村萬斎さんが、国立能楽堂の10年ぶりとなる新作として狂言に造詣の深い池澤さんに依頼したことで実現しました。
22日の記者会見で池澤さんは「自分の狂言を上演でき、こんなに楽しいことはない。芝居を書いた経験はほとんどないので、人間の生の声が行き来して体が動くことを想像し、これは楽しいことになるぞと思って書きました」と話しました。
また小説を狂言にした際の苦労について「体の動かし方まで盛り込むことは手の出しようがなかったが、萬斎さんにヒントをもらって書いてみた」としたうえで「狂言はすごく楽しいもの。深く考えるのではなく、感じるままに多くの人に気軽に見てほしい」と意気込みを語りました。
主演の野村萬斎さんは「池澤さんの世界観により狂言の範囲を広げる作品になると思う」と話しました。
この新作狂言「鮎」は、ことし12月22日から2日間、東京・渋谷区の国立能楽堂で上演されます。