東日本大震災の
被災者の
心の
支えにもなっていた、
サルの
人形「
おのくん」が
生まれたことで
知られる
宮城県東松島市の
仮設住宅が、
30日で
閉鎖されることになり、かつての
住民などが
集まって
感謝祭が
開かれました。
靴下でできたサルの
人形「おのくん」は、
東日本大震災の
翌年から、
東松島市の「
小野駅前応急仮設住宅」の
主婦たちが
製作を
始めました。
この仮設住宅には80世帯ほどが入居していましたが、生活の再建が進んだほか、災害公営住宅への転居も増えたことから、30日で閉鎖されることになりました。
30日はかつての住民や、「おのくん」を買ったことがある人たちが集まって感謝祭が開かれ、「おのくん」の着ぐるみがギターを演奏して会場を盛り上げたあと、自治会長の武田文子さんが「購入してくれた人たちやボランティアの支えで、これまでやって来られました」と感謝の気持ちを述べました。
「おのくん」は、仮設住宅の名前からつけられた愛称や愛らしいルックスが人気を集め、およそ10万体が作られたほか、絵本やバッジなどの関連グッズも販売され、被災地の人々の生活や心の支えにもなってきました。
ハワイから訪れた40代の女性は「そもそも仮設住宅がまだあるということを知らない人も多いと思います。おのくんが被災地の現状を知らせるきっかけになっていたのではと思います」と話していました。