福島ふくしまだいいち原発げんぱつ事故じこ 集団しゅうだん訴訟そしょう きょう判決はんけつ 福島ふくしま地裁ちさい

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Oct 10, 2017 04:10
Furigana
東京とうきょう電力でんりょく福島ふくしまだいいち原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこで、福島ふくしまけんらす住民じゅうみんなどおよそさんはちぜろぜろにんが、生活せいかつ基盤きばんそこなわれ精神せいしんてき苦痛くつうけたとして、くに東京とうきょう電力でんりょく慰謝いしゃりょうなどをもとめた裁判さいばんいちぜろにち福島ふくしま地方ちほう裁判所さいばんしょ判決はんけつ言い渡いいわたされます。全国ぜんこくこされている原発げんぱつ事故じこ集団しゅうだん訴訟そしょう原告げんこくかずもっとおおく、裁判所さいばんしょ判断はんだん注目ちゅうもくされます。原発げんぱつ事故じこのあとも福島ふくしまけん自宅じたくらしつづける住民じゅうみんや、避難ひなんしたひとなどおよそさんはちぜろぜろにんは、平成へいせいねん生活せいかつ基盤きばんそこなわれ精神せいしんてき苦痛くつうけたとして、放射線ほうしゃせんりょう事故じこまえ水準すいじゅんまでひくくすることや慰謝いしゃりょう支払しはらいをもとめるうったえをこしました。

裁判さいばんでは、くに東京とうきょう電力でんりょくだい規模きぼ津波つなみ事前じぜん予測よそくして、被害ひがいふせぐことができたかどうかや、くに審査しんさかい指針ししんしめされている慰謝いしゃりょう対象たいしょう地域ちいきや、金額きんがく妥当だとうかどうかがあらそわれました。

原告げんこくは、平成へいせいいちよんねん政府せいふ地震じしん調査ちょうさ研究けんきゅう推進すいしん本部ほんぶ巨大きょだい地震じしん可能かのうせいしめしたことを根拠こんきょに、くになどが津波つなみ被害ひがい予測よそくできたにもかかわらず、必要ひつよう対策たいさくらなかったなどと主張しゅちょうしました。

これに対にたいし、くに東京とうきょう電力でんりょくは、平成へいせいいちよんねん予測よそく抽象ちゅうしょうてきで、当時とうじ予測よそくもとづいて対策たいさくったとしても事故じこふせげなかったなどと主張しゅちょうしました。

判決はんけつは、いちぜろにち午後ごご福島ふくしま地方ちほう裁判所さいばんしょ言い渡いいわたされます。原発げんぱつ事故じこをめぐる集団しゅうだん訴訟そしょうでは、全国ぜんこくいちはち都道とどう府県ふけんいちまんぜろぜろぜろにんあまりがうったえをこしていて、前橋まえばし地方ちほう裁判所さいばんしょはことし3月さんがつくに東京とうきょう電力でんりょく責任せきにんはじめてみとめて賠償ばいしょうめいじています。今回こんかい原告げんこくかず一連いちれん集団しゅうだん訴訟そしょうもっとおおく、裁判所さいばんしょがどのような判断はんだんしめすのか注目ちゅうもくされます。

裁判さいばん主要しゅよう争点そうてんふた

裁判さいばんでは、おもふたつのてん争点そうてんになりました。

ひとは、くに東京とうきょう電力でんりょくだい規模きぼ津波つなみ事前じぜん予測よそくし、被害ひがいふせぐことができたかどうかです。原告げんこくは、くに東京とうきょう電力でんりょくおそくとも平成へいせいいちはちねんまでに、福島ふくしまだいいち原発げんぱつ敷地しきちたかさをえる津波つなみることを予測よそくできたと主張しゅちょうしています。その根拠こんきょとして、平成へいせいいちよんねん政府せいふ地震じしん調査ちょうさ研究けんきゅう推進すいしん本部ほんぶ発表はっぴょうした「長期ちょうき評価ひょうか」のなかで、三陸さんりくおきから房総ぼうそうおきにかけてマグニチュードはちクラスの巨大きょだい地震じしんが、さんぜろねん以内いないぜろ%の確率かくりつ発生はっせいするとしめされたとしています。

さらに、平成へいせいいちはちねん電力でんりょく会社かいしゃなどが参加さんかした勉強べんきょうかいで、福島ふくしまだいいち原発げんぱつ敷地しきちえる津波つなみ場合ばあい、すべての電源でんげんうしなわれる危険きけんせいがあるとしめされていたとしています。そのうえで、東京とうきょう電力でんりょくには、こうした予測よそくもとづいて、常用じょうよう電源でんげん設備せつびなどを津波つなみから防護ぼうごするための対策たいさくらなかった過失かしつがあると主張しゅちょうし、くにについては、原発げんぱつ事故じこふせ対策たいさく東京とうきょう電力でんりょく義務ぎむづけなかったことがいちじるしく合理ごうりだと主張しゅちょうしました。

これに対にたいし、くに東京とうきょう電力でんりょくは「平成へいせいいちよんねん長期ちょうき評価ひょうか地震じしん学者がくしゃでも異論いろんがあり、科学かがくてきかんがえとして確立かくりつしたものでなく、だい規模きぼ津波つなみ予測よそくできなかった」と主張しゅちょうしました。そのうえで、平成へいせいいちはちねん試算しさんくらべて実際じっさい津波つなみ非常ひじょうおおきく、試算しさんもとづいて対策たいさくをしても事故じこふせげなかったとしています。

争点そうてんふたは、くに審査しんさかい指針ししんしめされている慰謝いしゃりょう対象たいしょう地域ちいき金額きんがく妥当だとうかどうかです。原発げんぱつ事故じこけた精神せいしんてき損害そんがいについて、くに指針ししんでは、放射線ほうしゃせんりょう比較的ひかくてきたかく、避難ひなん余儀よぎなくされた沿岸えんがん住民じゅうみんはちぜろまんえんからいちよんぜろまんえん支払しはらい、けん中部ちゅうぶなどの住民じゅうみんにはいちまんえん支払しはらうとさだめる一方いっぽうけん西部せいぶ会津あいづ地方ちほう支払しはらいの対象たいしょうからはずれるなど、地域ちいきによっておおきながあります。

原告げんこくのおよそはちわりは、事故じこ避難ひなんせずに自宅じたくらしつづけてきた住民じゅうみんで、健康けんこう不安ふあんかかえたまま日常にちじょう生活せいかついられることの精神せいしんてき苦痛くつうおおきく、指針ししんもと東京とうきょう電力でんりょくから支払しはらわれているがく不十分ふじゅうぶんだとして、一律いちりつ毎月まいつきまんえん慰謝いしゃりょう支払しはらうことなどをもとめました。

これに対にたいくに東京とうきょう電力でんりょくは、被害ひがいには個人こじんがあるため一律いちりつ賠償ばいしょうみとめられず、指針ししんもとづいて適切てきせつがく支払しはらわれているなどとあらそっていました。

各地かくち原発げんぱつ訴訟そしょう 地裁ちさい判断はんだんかれる

福島ふくしまだいいち原発げんぱつ事故じこのあと、東京とうきょう電力でんりょくくに審査しんさかい指針ししんもとづいて福島ふくしまけんひとけんがい避難ひなんしたひと賠償ばいしょうおこなっていますが、事故じこ責任せきにんうために裁判さいばんこすうごきが全国ぜんこく各地かくちひろがっています。これまでに、全国ぜんこくすくなくともいちはち都道とどう府県ふけんさんいちけん裁判さいばんこされ、原告げんこくかずいちまんぜろぜろぜろにんあまりにのぼっています。

このうち、ふたつの裁判さいばん判決はんけつ言い渡いいわたされ、ことし3月さんがつ前橋まえばし地方ちほう裁判所さいばんしょは「福島ふくしまだいいち原発げんぱつ敷地しきちえる津波つなみ事前じぜん予測よそくして、事故じこふせぐことはできた」として、くに東京とうきょう電力でんりょく責任せきにんはじめてみとめ、賠償ばいしょうめいじました。一方いっぽう千葉ちば地方ちほう裁判所さいばんしょ先月せんげつ、「くに津波つなみ予測よそくできたが、対策たいさくこうじても事故じこけられなかった可能かのうせいがある」としてくに責任せきにんみとめず、東京とうきょう電力でんりょく賠償ばいしょうめいじました。

くに責任せきにんについて裁判所さいばんしょ判断はんだんかれるなかで、福島ふくしま地方ちほう裁判所さいばんしょがどのような判断はんだんしめすのか注目ちゅうもくされます。

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