干かんばつで食料不足しょくりょうぶそくのナミビア、ゾウなど７００頭とうを殺処分やしょぶんへ

過去かこ１００年ねんで最悪さいあくの干かんばつに見舞みまわれているアフリカ南部なんぶのナミビアはゾウやシマウマ、カバなど７００頭余とうあまりを殺処分やしょぶんし、その肉にくを食料不足しょくりょうぶそくにあえぐ人ひとびと々に配給はいきゅうする計画けいかくだ。

同国どうこくの環境かんきょう・林業りんぎょう・観光省かんこうしょうは２６日にち、ゾウ８３頭とう、カバ３０頭とう、水牛すいぎゅう６０頭とう、インパラ５０頭とう、オグロヌー１００頭とう、シマウマ３００頭とうなどを殺処分やしょぶんすると発表はっぴょうした。

すでに１５０頭超とうちょうが殺処分やしょぶんされ、約やく５６トンの肉にくが食料しょくりょうが不足ふそくしている人ひとびと々に提供ていきょうされたという。

同省どうしょうによると、殺処分やしょぶんの対象たいしょうは「持続可能じぞくかのうな個体数こたいすう」となっている国立公園こくりつこうえんなどから選別せんべつされ、プロの猟師りょうしが作業さぎょうにあたる。干かんばつの影響えいきょうを和やわらげるのが目的もくてきとしている。

干かんばつの影響えいきょうが深刻化しんこくかする中なかで、同国どうこくは５月がつに非常事態宣言ひじょうじたいせんげんを出だした。国民こくみんの約半数やくはんすうにあたる推定すいてい１４０万人まんにんが極きわめて厳きびしい食料不足しょくりょうぶそくに直面ちょくめんするとみられている。

同省どうしょうは「利用可能りようかのうな牧草ぼくそうと水みずを超こえる」数かずの野生動物やせいどうぶつがいる地域ちいきで個体数こたいすうを減へらすことで、水不足みずぶそくを軽減けいげんすることができると説明せつめいした。

殺処分やしょぶんはまた、ゾウが人間にんげんに及およぼし得える危害きがいを減へらす意図いともある。干かんばつ時ときにはゾウが食たべ物ものや水みずを求もとめて人間にんげんの生活環境せいかつかんきょうに入はいり込こむことがある。

同省どうしょうによると、人間にんげんとゾウの接触せっしょくが増ふえると特定とくていされた地域ちいきにいる８３頭とうのゾウが殺処分やしょぶんされ、その肉にくは干かんばつ救済策きゅうさいさくとして活用かつようされるという。

アフリカ南部なんぶには２０万頭まんとうを超こえるゾウが生息せいそくしている。ゾウも干かんばつの影響えいきょうを受うけており、同地域どうちいきでは昨年さくねん、数百頭すうひゃくとうが水不足みずぶそくのために死しんだと考かんがえられている。

ナミビアはエルニーニョ現象げんしょうによりひどい干かんばつに直面ちょくめんしている。雨不足あめぶそくと高温こうおんのために作物さくもつが育そだたず、飢餓きがが深刻化しんこくかしている。