夏休なつやすみ終おわる時期じき 悩なやみのことば 検索けんさく急増きゅうぞう

この機能きのうは自殺じさつを防ふせぐための活動かつどうをしているNPO法人ほうじんが開発かいはつした「SOSフィルター」と呼よばれるもので、自殺じさつやいじめ、虐待ぎゃくたいなどに関にかんするおよそ4800のことばが登録とうろくされています。

子こどもたちがこれらのことばを検索けんさくすると、内容ないように応おうじて相談そうだん窓口まどぐちの連絡れんらく先さきのほか、「気持きもちを書き出かきだす」とか「保健ほけん室しつに行いってみる」などと気持きもちを和やわらげる方法ほうほうなどが自動じどうで表示ひょうじされるようになっています。

8月つきから3つの自治体じちたいの小中しょうちゅう学校がっこうや高校こうこうなど百ひゃく数すう十じゅう校こうが導入どうにゅうし、子こどもたちに配備はいびされているおよそ4万まん5000台だいのタブレット端末たんまつなどにインストールされました。

開発かいはつしたNPO法人ほうじんが運用うんよう状況じょうきょうを確認かくにんしたところ、夏休なつやすみ中ちゅうに自宅じたくに持ち帰もちかえって使つかわれていた一部いちぶのタブレット端末たんまつなどでは、8月つき1日にちから28日にちまでに「自殺じさつ」などのことばが検索けんさくされ、相談そうだん窓口まどぐちなどがおよそ300回かい、表示ひょうじされていました。

このほか「裸はだかを撮とられた」や「うつ病うつびょう」「適応てきおう障害しょうがい」なども多おおく検索けんさくされていて、夏休なつやすみが終おわる今週こんしゅうにかけて急激きゅうげきに増ふえていたということです。

NPO法人ほうじん「OVA」の伊藤いとう次郎じろう代表だいひょうは、長期ちょうきの休やすみ明あけは環境かんきょうの変化へんかからストレスを感かんじやすいと指摘してきした上うえで、「インターネットは生いきるための情報じょうほうを届とどけることもできる。親おやや先生せんせいに相談そうだんすることも大事だいじだが、気持きもちを打ち明うちあけにくい場合ばあいは匿名とくめいで相談そうだんできる所ところもある。周囲しゅういの力ちからを借かりながら解決かいけつしていくことは、決けっして恥はずかしいことではない。ひとりで抱え込かかえこまないでほしい」と呼よびかけています。

不ふ登校とうこう経験けいけんがある男性だんせいは

夏休なつやすみが明あけるこの時期じき、学校がっこうに行いきづらいと感かんじる子こどもたちが増ふえるとされています。

みずからも中学ちゅうがく1年生ねんせいの時ときに夏休なつやすみ明あけから不ふ登校とうこうとなった経験けいけんがあり、今いまは千葉ちば県けんのフリースクールで働はたらく男性だんせいは「つらいと感かんじる自分じぶんを責せめないで、焦あせらずゆっくり休やすんでいい」と呼よびかけています。

千葉ちば県けん習志野ならしの市しにある「フリースクール ネモ」は現在げんざい、小中こなか学生がくせいを中心ちゅうしんにおよそ15人にんが通かよっています。

例年れいねん、夏休なつやすみが終おわるこの時期じきから、入会にゅうかいの相談そうだんが増ふえる傾向けいこうにあり、月つき1回かいの一般いっぱん開放かいほう日びを増ふやすなどしています。

このフリースクールで働はたらくスタッフは全員ぜんいん、不ふ登校とうこうとなった経験けいけんがあります。

そのひとり、角田つのだ匠たくみさんは中学ちゅうがく1年生ねんせいの時とき、夏休なつやすみ明あけから不ふ登校とうこうになったといいます。上級じょうきゅう生せいから日常にちじょう的てきにからかわれていたことが原因げんいんでした。

角田つのださんは「夏休なつやすみに入はいったときはほっとした気持きもちがあって『休やすみが明あけたら嫌いやだな』という思おもいを抱かかえながら、一いち日にち一いち日にちを過すごしていました。夏休なつやすみが終おわるころになると不安ふあんが大おおきくなって怖こわくなっていきました」と振り返ふりかえった上うえで、「自分じぶんが消きえれば楽らくになるかな」とさえ思おもったといいます。

その後そのご、角田つのださんは別べつの中学校ちゅうがっこうに転校てんこうし、卒業そつぎょう後ご、フリースクールに通かようようになりました。

そこで自分じぶんと同おなじように学校がっこうに行いけなくなった人ひとたちと、抱かかえていた思おもいや経験けいけんを語り合かたりあったことをきっかけに、バンド活動かつどうなど自分じぶんが好すきなことに前向まえむきに熱中ねっちゅうできるようになったといいます。

その後そのご、福祉ふくしの専門せんもん学校がっこうに通かよい、フリースクールの運営うんえいに関かかわるようになりました。

角田つのださんは当時とうじ、からかわれるのを嫌いやだと思おもう自分じぶんや、学校がっこうに行いけなくなった自分じぶんが、悪わるいのかもしれないとみずからを責せめていたといいます。

こうした経験けいけんを通をとおして角田つのださんは「休やすむことを決きめ、両親りょうしんからも『休やすんでいれば』と言いわれて安心あんしんできました。学校がっこうに行いけなかったときはすごく長ながく感かんじるし、つらいと感かんじるけど、遠慮えんりょなく休やすんだほうがいいです。学校がっこうに行いく時間じかんは人生じんせいの中なかでもすごく短みじかいので、絶対ぜったいに自分じぶんを責せめなくていい」と話はなしていました。

そして「死しにたい」とさえ思い悩おもいなやむ子こどもに向むけて一度いちど立ち止たちどまり、家族かぞくや友人ゆうじんに話はなしたり、フリースクールや相談そうだん窓口まどぐちなどに相談そうだんしてほしいとした上うえで「どこでもいいので、感情かんじょうのすべてをぶつけるぐらいの勢いきおいで全部ぜんぶ、話はなしてほしい。いい子こになる必要ひつようはないので、すべて出だし尽つくしてからもう一度もういちど、次つぎのことを考かんがえてほしい」と話はなしていました。

角田つのださんは「不ふ登校とうこうになっても休やすんでいる時ときこそ、ゆっくり休やすんで、何なにかやりたいことができた時ときに自分じぶんの学校がっこうでもいいし、転校てんこうしてもいい。フリースクールのような所ところを使つかうのもいいと思おもいます。ゆっくりするのは絶対ぜったいに必要ひつようだし、悪わるいことではないので、焦あせらなくていい」と呼よびかけています。

不ふ登校とうこうの小しょう中学生ちゅうがくせい 10年ねん連続れんぞく増加ぞうかで過去かこ最多さいたに

去年きょねん公表こうひょうされた不ふ登校とうこうの小しょう中学生ちゅうがくせいはおよそ30万まん人にんにのぼり、10年ねん連続れんぞくで増加ぞうかし、過去かこ最多さいたとなっています。

文部もんぶ科学かがく省しょうは「学校がっこうに通かようこと」のみが目標もくひょうではないとしていて、去年きょねん、不ふ登校とうこうについての総合そうごう対策たいさくをまとめています。

その中なかでは「誰だれ一いち人にん取り残とりのこされない学まなびの保障ほしょう」を掲かかげ、学校がっこうに来こられなくても子こどもたちが学まなびたいと思おもった時ときに学まなべるよう、フリースクールやNPOとの連携れんけい強化きょうかや、児童じどうや生徒せいとの事情じじょうにあわせて特別とくべつなカリキュラムを組くめる学校がっこうの設置せっちを進すすめることなどが盛り込もりこまれています。

また国くには悩なやみを抱かかえている子こどもや保護ほご者しゃから、24時間じかん、無料むりょうで相談そうだんを受け付うけつける電話でんわ窓口まどぐちを設置せっちしています。

「24時間じかん子供こどもSOSダイヤル」は、0120-0-78310です。