気象庁によりますと、台風7号は16日午前6時には能登半島の西の海上を1時間に20キロの速さで北へ進んでいます。
中心の気圧は990ヘクトパスカル、最大風速は23メートル、最大瞬間風速は35メートルで、北陸の一部が台風の強風域に入っています。
この時間は東海や北陸などに発達した雨雲がかかり、
▽午前7時までの1時間には岐阜県が郡上市に設置した雨量計で54ミリ、
▽午前8時までの1時間には静岡市に設置した雨量計で53ミリのいずれも非常に激しい雨を観測しました。
これまでの雨で鳥取県では土砂災害の危険性が非常に高まり、土砂災害警戒情報が発表されている地域があります。
鳥取市佐治 24時間雨量515ミリ 観測史上最多
15日の朝、和歌山県の潮岬付近に上陸した台風7号は近畿や東海などを暴風域に巻き込みながら比較的ゆっくりとした速度で北上し、昼過ぎに兵庫県明石市付近に再上陸したあと暴風域はなくなりましたが、速度をあまり上げず近畿地方を縦断しました。
このため広い範囲で風や雨の影響が長い時間続き、各地で被害が相次ぎました。
15日の最大瞬間風速は
▽三重県尾鷲市で37.9メートル、
▽神戸市で35.7メートル、
▽和歌山市で32メートルを観測しました。
また、15日は各地で記録的な大雨となり、24時間の最大雨量は
▽岡山県の鏡野町上齋原で531ミリ、
▽鳥取市佐治で515ミリと平年の8月1か月分の2.5倍あまりに達し、観測史上最も多くなりました。
また、
▽和歌山県那智勝浦町の色川でも521ミリに達したほか、
▽京都府綾部市の睦寄で280ミリと平年の8月1か月分の雨量を上回りました。
台風の接近前から断続的に雨が強まっていた鳥取市では15日夕方以降、土砂災害や洪水、それに浸水の危険度が極めて高くなり気象庁は一時、大雨の特別警報を発表しました。
鳥取 近畿 東海 土砂災害に厳重警戒
今後の見通しです。
台風はこのあとも日本海を北上する見込みで、東日本では雷を伴って激しい雨が降り、東海では非常に激しい雨が降って大雨となるおそれがあります。
17日朝までの24時間に降る雨の量は、東海の多いところで100ミリと予想されています。
鳥取市などでは引き続き土砂災害の危険性が非常に高くなっていて、油断することなく自治体が発表している避難に関する情報などを確認してください。
また、これまでの雨で近畿や東海でも地盤が緩んでいる地域があります。
気象庁は土砂災害に厳重に警戒するとともに激しい雨による低い土地の浸水や川の増水、落雷、突風にも十分注意するよう呼びかけています。
鳥取市佐治町など1789人が孤立状態に 土砂崩れで道路寸断
大雨で土砂崩れが起き道路が寸断された影響などで、鳥取市では佐治町の全域など各地で孤立した状態になっている地域があります。
鳥取市よりますと、孤立した状態になっているのは、
▽佐治町の全世帯の735世帯1597人、
▽国府町雨滝の13世帯24人、
▽鹿野町河内の80世帯153人、
▽河内の安蔵集落の7世帯15人の、
あわせて835世帯1789人です。
鳥取市は支所などを通じて情報収集を行っていて、孤立した集落の住民の安全については確認できているとしています。
鳥取市 佐治川沿いの道路が一部崩れ落ちる
16日午前5時すぎ、鳥取市佐治町総合支所の近くから地元の消防団の男性が撮影した佐治川の映像です。
川が濁流となって激しく流れている様子や、川沿いの道路の一部が崩れ落ち、ガードレールが大きく曲がっている様子がわかります。
撮影した消防団の男性は「過去にない雨や川の増水で、道路が崩落したり陥没したりしているという情報が複数寄せられています。これから出勤などで車を利用する人も増えることが予想されますが、道路の状況に気をつけて自分の命を守ってほしいです」と話していました。