トヨタの株主総会は、18日午前10時から愛知県豊田市の本社で開かれました。
トヨタでは、国の型式指定の申請にともなう認証試験で不正を行っていたことが明らかになり、宮城県と岩手県の子会社の工場で生産する「ヤリス クロス」など3車種の生産を停止しています。
総会の中で、佐藤恒治社長は質疑に先立ち「認証問題についてお客様、株主の皆様にご心配、ご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げます」と述べ、陳謝しました。
そのうえで、「認証試験で基準を達成して初めて車を量産販売することが可能になるが、今回の問題は正しい認証プロセスを踏まずに、量産販売してしまった。現場で再発防止にしっかりと取り組む」と述べました。
このあと、株主から「認証問題が起きる中、会社をどう立て直すのか」という質問が出されると、中嶋裕樹副社長は「まずは現場に赴き、足場を固めたうえで、未来に向けた仕事に取り組みたい。全社一丸となって取り組む」と述べ、株主の理解を求めました。
株主からは経営陣の説明求める声相次ぐ
トヨタ自動車の株主総会に出席する株主からは、認証不正の問題について経営陣の説明を求める声が相次ぎました。
トヨタの元社員だという株主の70代の男性は「認証の不正関連がいちばん気になります。経営陣も変化する環境に対応しなければいけないので大変だとは思いますが、今後、二度と起きないように、どう対応していくかをしっかりと説明してほしい」と話していました。
また、別の株主の80代の男性は「トヨタの業績が好調なことは株主としてはとても歓迎しています。ただ、認証の不正関連で経営陣から、皆が納得できる説明を期待しています。そのうえで、引き続き世界を代表する企業であり続けてほしい」と話していました。
米の議決権行使助言会社 人事案の一部に反対を推奨
ことしのトヨタ自動車の株主総会では、議案への賛否をアドバイスするアメリカの「議決権行使助言会社」が、会社が提出した人事案の一部に反対を推奨していました。
このうち、「ISS」=「インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ」は、ダイハツ工業や豊田自動織機など、トヨタグループ各社で認証不正が相次いだことを受けて、「長年のトップとして最終的な責任があるものとみなされるべきである」などとして、豊田章男会長の取締役再任に反対を推奨していました。
また、「グラスルイス」も、「トヨタグループのガバナンスの問題」を理由に、豊田会長と早川茂副会長の取締役再任に反対を推奨していました。