そして、今回の方針に伴う自民党との連立政権への影響を問われたのに対し「自民党とは東京の選挙協力の話をしているのであり、連立政権の話をしているわけではない。あすの方針決定で自民党からどういう反応が出るかは見守りたい」と述べました。
公明党は国政選挙の比例代表で得票数の減少傾向が続く中、小選挙区の数が増える都市部で、積極的に新たな候補者の擁立を図っています。具体的には「10増」の対象となっている5つの都と県のうち、これまでに選挙区が1つずつ増える埼玉と愛知で、比例代表選出の現職議員を選挙区で擁立する方針を発表しています。 そして、選挙区が5つ増える東京では、現職議員を新たに「東京29区」で擁立すると公表し、さらに今月に入って、練馬区東部からなる「東京28区」でも候補者を擁立する意向を自民党に正式に伝えました。 その際、公明党は「『東京28区』への協力が得られなければ、東京での選挙協力は白紙にする可能性がある」として、自民党に受け入れを迫りました。 これに対し、自民党内では「『10増10減』で選挙区が減る影響は自民党が受けるのに、増える選挙区を公明党に譲りすぎるのはおかしい」などと反発が強まりました。 こうした状況を踏まえ、自民党は23日公明党に対し、埼玉と愛知、それに「東京29区」については、地元組織は反発しているものの前向きに調整する考えを伝える一方、「東京28区」は、東京都連が候補者をすでに決めているとして、認められないとの考えを伝えました。 ただ、東京で2人目の擁立を目指す公明党の意向は最大限尊重するとして、北区などからなる「東京12区」や江東区からなる「東京15区」などでの擁立で調整できないか打診しました。 これに対し、公明党は、持ち帰って検討する考えを示していました。
これまでの経緯
衆議院選挙の小選挙区の「10増10減」に伴い、選挙区の数が5つ増える東京への対応について、公明党は現職議員を新たに「東京29区」で擁立すると公表したのに続いて「東京28区」でも候補者を擁立する意向を自民党に伝えていましたが、これに反発する自民党は23日「受け入れられない」と回答しました。
これを受けて、公明党は24日夕方、東京都本部の拡大役員会を開き、都本部の代表を務める高木政務調査会長や、西田選挙対策委員長らが対応を協議しました。
会合後、取材に応じた高木氏と西田氏は、今後の対応方針について了承を得たとしたうえで「あす、党の常任役員会で協議して決定するので、内容は言えない」と述べました。
会合に出席した複数の議員によりますと「東京28区」については自民党の回答を踏まえ、擁立を断念する方針を確認したということです。
そのうえで「東京29区」では自民党に推薦を求めず、公明党として、東京の選挙区では自民党の候補者に推薦を出さない方針も確認したということです。
また、都議会での自民党との協力関係も白紙に戻すということです。
25日、党の常任役員会で正式に決定し、自民党に回答する見通しです。