東京とうきょう 板橋いたばし区くの大東だいとう文化ぶんか大学だいがくのキャリアセンターによりますと、ことしは就職しゅうしょく活動かつどうの早期そうき化かが進すすんでいて、今月こんげつ時点じてんですでに内定ないていや内々定ないないていがある学生がくせいが多おおく、複数ふくすう社しゃから得えているケースも目立めだつということです。

一方いっぽう「就職しゅうしょく活動かつどうのしかたが分わからない」とか「コロナ禍かで情報じょうほうが集あつまらない」といった相談そうだんも寄よせられているということです。

大学だいがくでは、コロナ禍かで入学にゅうがく当初とうしょから講義こうぎやサークル活動かつどうが制限せいげんされ、人間にんげん関係かんけいがうまく築きづけなかったり情報じょうほう収集しゅうしゅうが十分じゅうぶんできなかったりした学生がくせいが就職しゅうしょく活動かつどうにつまづいている可能かのう性せいもあるとみています。

大東だいとう文化ぶんか大学だいがくキャリアセンターの細田ほそだ咲さき江こう所長しょちょうは「学生がくせいの動うごきには開ひらきがあり、コロナで内うち向むき思考しこうになった学生がくせいは活動かつどうのきっかけをつかめていない状況じょうきょうがある。大学だいがくとしてもサポートしていきたい」と話はなしています。

また、学生がくせい1人にん当あたりの内々定ないないていを受うけた企業きぎょうの数かずは平均へいきんで2.22社しゃと、去年きょねんの同おなじ時期じきから0.04社しゃ増加ぞうかし、2社しゃ以上いじょうから得えている割合わりあいは58.6％と去年きょねんより2.3ポイント上あがっています。

まずはすでに内定ないていを持もっている学生がくせいです。

都内とないの大学だいがくに通かよう男子だんし学生がくせい

「周囲しゅういのだいたい6割わりくらいは内定ないていを持もっています。自分じぶんは大学だいがく3年ねんの11月つきごろから就職しゅうしょく活動かつどうを始はじめて、2社しゃから内定ないていをもらっています。就職しゅうしょく活動かつどうが早期そうき化かしていて、去年きょねんの秋あきから内定ないていを持もった人ひとがいて不安ふあんでしたが、内定ないていがとれてよかったです」

不動産ふどうさん業界ぎょうかいへの就職しゅうしょくを希望きぼうする女子じょし学生がくせい

「大学だいがく3年生ねんせいの6月つきから就職しゅうしょく活動かつどうを始はじめていて、すでに4社しゃほど内定ないていを持もっています。周まわりでも内定ないていを持もっていない人ひとは少すくなく、内定ないていを取とりやすい流ながれになっている」

一方いっぽうで、内定ないていが出でていないという学生がくせいにも話はなしを聞ききました。

女子じょし学生がくせい

「まだ内定ないていが出でていません。コロナで人ひとと接せっする機会きかいが少すくなく、周まわりに聞ききにくい状況じょうきょうなので不安ふあんに思おもうことがあります」

別べつの女子じょし学生がくせい

「まだ内定ないていを持もっていませんが、同級生どうきゅうせいから内定ないていしたという話はなしを聞きくので不安ふあんな気持きもちがすごくあります。自分じぶんがやってきたことに自信じしんを持もってこれからの就職しゅうしょく活動かつどうを頑張がんばっていきたいです」

SNSやインターネットをきっかけに「セミナーを受うければ大手おおて企業きぎょうに100％内定ないていする」と断定だんてい的てきに説明せつめいしたり、「今こん契約けいやくしないと内定ないていがもらえない」などと不安ふあんをあおったりして勧誘かんゆうするのが特徴とくちょうだということで、国民こくみん生活せいかつセンターは注意ちゅういを呼よびかけています。

大東だいとう文化ぶんか大学だいがくのキャリアセンターではスタッフが常駐じょうちゅうして相談そうだんに応おうじているほか、典型てんけい例れいについて周知しゅうちしたりガイダンスを行おこなったりして注意ちゅういを呼よびかけています。

大東だいとう文化ぶんか大学だいがくキャリアセンターの細田ほそだ咲さき江こう所長しょちょうは「コロナ禍かで活動かつどう量りょうや情報じょうほう量りょうに関にかんする学生がくせいの不安ふあんが高たかまり、それをあおるやり方やりかたが顕在けんざい化かしていると思おもう。就職しゅうしょく活動かつどうで迷まよったりうまくいかなかったりしたらまずキャリアセンターに相談そうだんに来きてほしい」と話はなしていました。

この女性じょせいは20代だいの大学生だいがくせいで、みずからも就職しゅうしょく活動かつどう中ちゅうだった去年きょねん、人材じんざい関連かんれんの会社かいしゃで数すうか月かげつ、インターンとして働はたらいていました。

この会社かいしゃが開催かいさいを予定よていしていた就活かつイベントの参加さんか者しゃを集あつめるため、自身じしんが学生がくせいであることを隠かくし、会社かいしゃの正せい社員しゃいんを装よそおって勧誘かんゆうするよう上司じょうしから指示しじされたといいます。

「イベントに参加さんかした企業きぎょうからいきなり最終さいしゅう面接めんせつに案内あんないされ、その場ばで内定ないていがもらえる」とか、「内定ないていの可能かのう性せいが高たかくなる」といった誘さそい文句もんくを使つかって、特別とくべつな選考せんこうルートがあると呼よびかけるよう指示しじされました。

しかし、上司じょうしからは「実際じっさいにはそうした選考せんこうルートはなくうそだ」と説明せつめいされ、理由りゆうを尋たずねると「そのほうが学生がくせいの食くいつきがよく、たくさん集あつめられるからだ」と言いわれたということです。

イベントに学生がくせいをたくさん集あつめれば、その分ぶん、参加さんか企業きぎょうから高たかい金額きんがくを受け取うけとれると説明せつめいされたということで、女性じょせいは罪悪ざいあく感かんを持もちながらも逆さからうことができず、10人にん以上いじょうの学生がくせいを勧誘かんゆうしたということです。

女性じょせいは当時とうじの心境しんきょうについて「社員しゃいんからは『何なにのためにインターンとして雇やとって金きんを払はらっているのか』と言いわれしたがってしまいました。自分じぶんが学生がくせいということもあり、相手あいての気持きもちがよく分わかるので、いくつかうそも混まぜながら勧誘かんゆうしていたことに違和感いわかんというか、つらいなという気持きもちもありました。誘さそった学生がくせいには申し訳もうしわけなく思おもいます」と話はなしていました。

そのうえで、学生がくせいがトラブルに巻き込まきこまれる背景はいけいについては「誰だれからも就活かつのアドバイスをもらえない中なかで不安ふあん感かんが出でてきている。SNSやインターネットでたくさん調しらべても、有象無象うぞうむぞうの多おおくの情報じょうほうがあって何なにがいいのか悪わるいのか分わからなくて正解せいかいを求もとめてしまう」と指摘してきしています。

さらに「セミナーを悪用あくようしようとする企業きぎょうが一部いちぶであり、そうした企業きぎょうにとって学生がくせいの個人こじん情報じょうほうの2次じ利用りようも利益りえきが生み出うみだせる。学生がくせいの個人こじん情報じょうほうを得えたいと思おもうような企業きぎょうがあり、個人こじん情報じょうほうが売買ばいばいされる」と述のべ、自分じぶんの個人こじん情報じょうほうがどう扱あつかわれるのかにも注意ちゅういが必要ひつようだとしています。