汚染水は、事故で溶け落ちた核燃料を冷やすために水を入れたり、建屋に流入する地下水などが流れ込んだりすることで、一日130トンのペースで増えていて、専用の浄化設備にかけられ処理水になりますが、放射性物質のトリチウムは除去できずに残ります。
現在、敷地内にある1000基余りの大型タンクで保管していますが、その量は、先月28日時点で、保管できる容量の96%にあたるおよそ130万トンに達していて東京電力は、来年の夏から秋ごろにはタンクが満杯になる見通しを示しています。
敷地内には空きスペースもありますが、政府や東京電力は、今後、溶け落ちた核燃料や使用済み燃料の一時保管施設などを建設する必要があるためタンクを増やし続けることはできないとしていて、政府は去年4月基準を下回る濃度に薄めるなどして来年春ごろから海に放出する方針を決めました。
政府や東京電力は、放出の前後で海水のモニタリングを強化し、環境に与える影響を確認しながら少量の放出から始めるとしていて、モニタリングで異常な値が出た場合などには、放出を停止するとしています。
宇宙から飛んでくる宇宙線などによって自然界でも生成されるため、雨水や水道水にも含まれるほか、通常の原子力施設でも発生し、日本を含む世界で各国の基準に基づいて、薄めて海や大気などに放出されています。 現在、処理水の一部にはトリチウム以外の放射性物質の濃度が基準を超えているものもありますが、東京電力は、改めて専用の浄化設備に通し、基準以下になるまで濃度を下げる計画です。 そのうえで海水を混ぜ、トリチウムの濃度を国の基準の40分の1にあたる1500ベクレルを下回る濃度まで薄めて海に放出することにしています。 処理水を海に放出した場合の人や環境への被ばく影響について東京電力は、基準より大幅に薄めることなどから国際的なガイドラインに沿って評価してもいずれも十分に小さいと説明し、原子力規制委員会もこの評価を妥当だとしています。
人や環境への影響は