このため、前線の南側の地域にあたる東北南部や新潟県など、同じような場所で雨雲が発達しやすい状況が続いたということです。
今回は、水蒸気が日本の南にある「太平洋高気圧」のふちをまわるように流れ込んだのに加え、もともと台風6号だった熱帯低気圧からも大量に持ち込まれたということです。 2方向から水蒸気が流れ込み続けたことで「大気の川」の規模も大きくなり、前線付近で次々と雨雲が発達した可能性があるということです。 坪木教授は「今回大雨になった地域では平成16年7月の新潟・福島豪雨や福井豪雨など、大規模な水害がたびたび発生しているが、水蒸気の供給量は当時と同じか、それ以上の可能性がある」としたうえで「日本海にはまだ大量の水蒸気があって長時間、雨が続くおそれもある。引き続き厳重に警戒し、適切な避難行動をとってほしい」と話していました。
「大気の川」も記録的大雨の要因に
気象庁の当初の予想を大きく上回る大雨となった背景について、専門家は、前線が停滞し続けたことに加え、大量の水蒸気が日本海側に流れ込んだことが影響しているとしています。
“海側から前線がのびる場合 予測精度に限界も”