4日、記録的な大雨となった石川県では5日午前、災害対策本部会議が開かれ、被害の状況が報告されました。
このうち住宅の浸水被害は、これまでに少なくとも252棟確認されています。
▽床上浸水が33棟▽床下浸水が219棟で、8割以上は小松市内の住宅です。
また、小松市では2人が軽いけがをしたということです。 5日の会議には、白山から戻った馳知事が出席しました。 会議のあと、馳知事は記者団に対し、登山を行った判断について「災害対策本部の立ち上げに知事が不在だったことについて問題がなかったとは言わない。どこかで中止すればよかったという思いもなくはない。どの段階で登山をやめる判断をするべきだったか、今後検証する必要がある」と述べました。
このうち▽ファミリーマートは、山形県内の1店舗と石川県内の3店舗の合わせて4つの店舗が、水につかったり自治体から避難指示が出されたりしたため、4日に続いて5日も休業しています。 また、山形県と石川県、それに福井県の一部の地域で配送に遅れが出ているということです。 ▽ローソンは、5日午前9時現在、店の周辺の道路が冠水するなどしたため、新潟県の関川村の1店舗が休業しています。 ▽セブン‐イレブン・ジャパンも5日午前の時点で新潟県関川村の1店舗で休業しているということです。 一方、流通大手のイオンでは4日、新潟県村上市の総合スーパーの1店舗が浸水のため営業を見合わせていましたが、5日は営業を再開しているということです。
そのうえで斉藤大臣は、「新潟県や青森県などで12件の土砂災害の報告があるほか、道路自体が流出したことで通行止めとなっているところもあり、早期の復旧に努めている」と述べました。 また鉄道についても橋が倒壊したり、盛り土が流出したりするなどの被害が複数の箇所で確認されているとして、「復旧には時間がかかることも予想されるが、地域住民の生活の足であり、代替交通手段の確保に向けて、事業者と連携した対応を進めたい」と述べ、現地に緊急災害対策派遣隊=「TEC-FORCE」を派遣するなどして、被害の把握を急ぐ考えを示しました。
また、警察によりますとこの通行止めの区間などで複数の車が移動できなくなっているという情報があり、現在、確認を進めています。
杉本知事は「県内各地で川があふれたり住宅への浸水が起きている。市や町と情報を共有しながら十分な警戒にあたるとともに、水が引いたところについては早急な復旧を進めてほしい」などと指示しました。
関川村では、4日の明け方にかけて猛烈な雨が降り続き、村によりますと、5日午前10時半現在で、床上と床下浸水があわせて112棟、家屋の損壊は10棟で確認されたということです。 住民たちは5日も、大量の泥をブラシで掃き出したり、水につかった家電を撤去したりするなど片づけに追われています。 家族で経営している会社の事務所を掃除していた50代の女性は「きのうは水がたまっていたので泥出し作業はきょうから始めました。日常の生活に戻るのは、当分無理だと思います」と話しました。
60代の男性は「こうした被害はこれまで経験したことがありませんでした。まだ稲に水が必要なので早く復旧させないといけないです」と話していました。
村上市によりますと、5日午前10時の時点で、市内のすべての世帯の3分の1にあたるおよそ7200世帯で断水が続いています。 特に、▽住宅の浸水被害などが確認されいる荒川地域や、▽住宅が全壊するなどの被害が出ている小岩内集落がある神林地域では全世帯で断水しています。 村上市は断水の詳しい原因はまだわからないとして調査を続けるとともに、復旧を急いでいます。 また、村上市の隣の関川村によりますと村内では午前9時半の時点で、15世帯で断水が続いているということです。 村は、道路の陥没による水道管の破損などの影響が考えられるとして、復旧を進めています。
村上市では大雨の影響で浄水施設が被害を受けるなどして5日午前10時の時点で、およそ7200世帯で断水が続いています。 市内の10か所には給水所が設けられていて、このうち午前の時点で、全域で断水が続いている神林地区にあるスポーツ施設の駐車場には、けさから給水車が配置されました。 訪れた多くの人たちは持ってきたポリタンクやペットボトルなどに水を入れて、それぞれの車などに積み込んでいました。 50代の男性は「きのうの夜は水道の水が濁っている程度でしたが、けさからは全く出なくなったので家にある容器をかき集めてやってきました。水の大切さを実感しています」と話していました。 また、小学3年生の男の子は「お風呂に入れなくなると嫌です。水がなくなってしまう前に、早く復旧してほしいです」と心配そうに話していました。 村上市によりますと、断水の復旧のめどはたっていないということです。
国土地理院は新潟県村上市の荒川周辺についてきのうヘリコプターで撮影した画像や標高のデータを分析し、浸水の範囲や深さを推定した図を公開しました。 推定では荒川の河口に近い村上市海老江付近では住宅地でも浸水が発生し、近くを流れる乙大日川と烏川が合流する付近で2つの川沿いに広がっています。 この付近の浸水は最も深い場所で1.9メートルに達していたと推定されます。 また、荒川から1キロから2キロほど離れたJR米坂線の坂町駅周辺の住宅地も広い範囲が浸水したと推定されています。 この推定ではすべての浸水が反映されていない可能性がありますが、国土地理院は「現地の状況把握に役立ててほしい」と話しています。
村上市などによりますと、市内の小岩内集落では今回の大雨で土砂災害が相次ぎ、住宅1棟が全壊したほか、住宅など4棟が一部損壊するなどの被害が出ています。 村上市の高橋市長は5日午前、市内で被害が大きい集落を視察し、このうち小岩内集落では、山からとみられる流木が道路まで達している様子や、田んぼが水につかっている状況を確認していました。 道路には泥や木などが堆積していて、重機がけさからかき出していました。 視察のあと高橋市長は「堆積物が非常に多く、厳しい状況だと実感した。住民のみなさんが生活できる環境を取り戻していくために、まずは堆積物の撤去を早急に進めていきたい。壊れた家もあるので、市としてしっかりと生活を支えていきたい」と話していました。
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