ウクライナでは、ロシア軍ぐんによる封鎖ふうさで黒海こっかいに面めんする南部なんぶの港みなとから農産物のうさんぶつの輸出ゆしゅつが滞とどこおっていますが、先月せんげつ、トルコと国連こくれんの仲介ちゅうかいによって輸出ゆしゅつ再開さいかいで合意ごういしました。

会談かいだんの冒頭ぼうとう、プーチン大統領だいとうりょうは「ウクライナからの穀物こくもつ輸出ゆしゅつは、あなたと国連こくれん事務じむ総長そうちょうの仲介ちゅうかいで解決かいけつされ供給きょうきゅうが始はじまった」と述のべ、謝意しゃいを示しめしました。

会談かいだん後ご、ロシア大統領だいとうりょう府ふが発表はっぴょうした共同きょうどう声明せいめいでも、ウクライナ産さんの穀物こくもつの輸出ゆしゅつ継続けいぞくに向むけて協力きょうりょくする姿勢しせいを示しめす一方いっぽう、ロシアからの穀物こくもつと肥料ひりょうの輸出ゆしゅつについても妨さまたげられないようにする必要ひつようがあると強調きょうちょうしていて、欧米おうべい側がわの制裁せいさいをけん制けんせいした形かたちです。

ロシア政府せいふは5日にち、石油せきゆ・天然てんねんガスの開発かいはつプロジェクト「サハリン2」を巡めぐり、これまでの運営うんえい会社かいしゃから事業じぎょうを引き継ひきつぐ新あらたなロシア企業きぎょう「サハリンスカヤ・エネルギヤ」を設置せっちしたと発表はっぴょうしました。

プーチン大統領だいとうりょうはことし6月つき、「サハリン2」の事業じぎょう主体しゅたいを、新あらたに設立せつりつするロシア企業きぎょうに変更へんこうすることなどを命めいじる大統領だいとうりょう令れいに署名しょめいし、株主かぶぬしは、新しん会社かいしゃの設立せつりつから1か月かげつ以内いないに、株式かぶしきの譲渡じょうとに同意どういするかどうかロシア側がわに通知つうちする必要ひつようがあるとしていました。

日本にっぽんの大手おおて商社しょうしゃ、三井みつい物産ぶっさんと三菱みつびし商事しょうじもそれぞれ出資しゅっししていることから日本にっぽん側がわは、対応たいおうを迫せまられることになります。

さらに、プーチン大統領だいとうりょうは5日にち、大統領だいとうりょう令れいに署名しょめいし、ロシアがアメリカや日本にっぽんを含ふくめて非ひ友好国ゆうこうこくと位置いちづける国くにの企業きぎょうなどが、ロシア企業きぎょうの株式かぶしきを売却ばいきゃくすることなどをことし12月つき31日にちまで禁止きんしするとしました。

対象たいしょうは、伊藤いとう忠ただし商事しょうじや丸紅まるべになども参加さんかする形かたちでサハリン沖おきで進すすめられている石油せきゆ・天然てんねんガス開発かいはつ事業じぎょう「サハリン1」も含ふくまれるとしています。

サハリン1を巡めぐっては、アメリカの大手おおて石油せきゆ会社かいしゃエクソンモービルが撤退てったいを表明ひょうめいするなか、ロシア側がわとしては非ひ友好国ゆうこうこくとする企業きぎょうのさらなる撤退てったいなどを防ふせぐ思惑おもわくもあるとみられます。

サハリン1、2を巡めぐる一連いちれんの動うごきは、ロシアに対にたいして制裁せいさいを科かす欧米おうべいや日本にっぽんなどへの対抗たいこう措置そちとみられます。

具体ぐたい的てきには、ロシア軍ぐんは掌握しょうあくを目指めざしてきた東部とうぶドネツク州しゅうで、ウクライナ側がわの拠点きょてん、スロビャンシクなどの攻略こうりゃくを断念だんねんしたとみられる一方いっぽうで、ウクライナ軍ぐんが反撃はんげきを続つづける南部なんぶヘルソン州しゅうや南東なんとう部ぶザポリージャ州しゅうを防衛ぼうえいするため、部隊ぶたいや装備そうびの移転いてんを進すすめているとしています。

また、ロシアが一方いっぽう的てきに併合へいごうした南部なんぶクリミアについてもロシア軍ぐんは大砲たいほうや航空こうくう機きなどを再さい配備はいびしていると指摘してきし、欧米おうべいからの兵器へいきを活用かつようしたウクライナ軍ぐんの反撃はんげきへの対応たいおうに追おわれている可能かのう性せいが出でています。

そのうえで「ロシアは、原発げんぱつに脅威きょういをもたらしたまぎれもない事実じじつに対にたいして、責任せきにんを負おわなければならない」と訴うったえました。