東京とうきょう 渋谷しぶや区くを中心ちゅうしんに自宅じたく療養りょうよう者しゃの往診おうしんを行おこなうクリニックは、先月せんげつ29日にち、保健所ほけんじょから依頼いらいを受うけて都内とないの宿泊しゅくはく施設しせつに滞在たいざいしているウクライナからの避難ひなん者しゃを訪問ほうもんしました。

親元おやもとを離はなれて暮くらしている3人にんの女性じょせいはいずれも新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんしていて、このうち15歳さいの女性じょせいは、一時いちじ、38度どの熱ねつが出でて、のどの痛いたみもあったということです。

医師いしが確認かくにんしたところ女性じょせいは過去かこにワクチンを接種せっしゅしたことがなかったということです。また、解熱げねつ用ようの市販しはん薬やくも持もっていましたが、説明せつめいが日本語にほんごで書かかれていたためどういった薬くすりなのか判別はんべつできず、服用ふくようできない状態じょうたいでした。

このため、医師いしは女性じょせいに英語えいごで1回かいにつき2錠じょうを服用ふくようするなど飲のみ方かたを説明せつめいしたり新あらたにせき止せきとめの薬くすりを処方しょほうしたりして、診療しんりょうにあたったということです。

イギリス・オックスフォード大学だいがくの研究けんきゅう者しゃなどが運営うんえいするウェブサイト、「Our World in Data」によりますとウクライナでワクチンの接種せっしゅが完了かんりょうした人ひとの割合わりあいはロシアの軍事ぐんじ侵攻しんこうが本格ほんかく化かする前まえのことし2月つき27日にちの時点じてんで34.8％でしたが、その後そのご、更新こうしんが途絶とだえています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、ウクライナからの避難ひなん者しゃで就労しゅうろうが可能かのうで1年間ねんかん滞在たいざいできる「特定とくてい活動かつどう」の在留ざいりゅう資格しかくを付与ふよされている人ひとは、国民こくみん健康けんこう保険ほけんが適用てきようされ、新型しんがたコロナ関連かんれんの医療いりょう費ひは全額ぜんがく公費こうひでまかなわれ、各地かくちの自治体じちたいでは避難ひなんしてきた人ひとへのワクチン接種せっしゅを実施じっししているところもあります。

「Green Forest代官山だいかんやまクリニック」の関谷せきや宏ひろし祐ゆう院長いんちょうは「避難ひなんしてきた人ひとたちは親おやも一緒いっしょにいなくて、ことばの壁かべもある中なかで、見知みしらぬ地ちで体調たいちょうを崩くずして不安ふあんがあると感かんじました。ワクチンを接種せっしゅしていない人ひとは日本にっぽんでコロナに感染かんせんするリスクも高たかいかもしれないので今後こんごも往診おうしんなどサポートをしていきたい」と話はなしています。