中間ちゅうかん選挙せんきょは歴史れきし的てきに政権せいけん与党よとうに厳きびしい結果けっかになることが多おおく、今回こんかいも与党よとう・民主党みんしゅとうの苦戦くせんを予想よそうする見方みかたが広ひろがっています。

今月こんげつ5日にち時点じてんでの政治せいじ情報じょうほうサイト「リアル・クリア・ポリティクス」のまとめでは、議会ぎかい下院かいんでは野党やとう・共和党きょうわとうが優勢ゆうせいで過か半数はんすうの議席ぎせきを確保かくほする勢いきおいとなっているほか、上院じょういんでは激はげしい接戦せっせんとなることが予想よそうされています。

今回こんかいの中間ちゅうかん選挙せんきょで共和党きょうわとうに多数たすう派はを奪うばわれればバイデン大統領だいとうりょうの政権せいけん運営うんえいは一層いっそう厳きびしくなることが予想よそうされ、2年ねん後ごの大統領だいとうりょう選挙せんきょを占うらなううえでも重要じゅうような節目ふしめになるとして注目ちゅうもくされています。

ことし1月つきから2月つきにかけて行おこなわれた世論せろん調査ちょうさでは同様どうようの回答かいとうは51％で、この半年はんとしで24ポイントも増ふえています。

バイデン大統領だいとうりょうに対にたいする厳きびしい評価ひょうかの背景はいけいの1つにあるとみられるのが記録きろく的てきなインフレです。

アメリカで先月せんげつ発表はっぴょうされた消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすうはおよそ40年ねん半はんぶりの水準すいじゅんに達たっしています。

有力ゆうりょく紙し、ニューヨーク・タイムズとシエナ大学だいがくが先月せんげつ5日にちから7日にちにかけて行いった別べつの世論せろん調査ちょうさでは、次つぎの中間ちゅうかん選挙せんきょの投票とうひょうにおいて「インフレと生活せいかつ費ひ」が「とても重要じゅうよう」、「ある程度あるていど重要じゅうよう」と回答かいとうした人ひとを合あわせると96％に上のぼり、国民こくみんが経済けいざいの状況じょうきょうに高たかい関心かんしんを寄よせていることがうかがえます。

一方いっぽう「国くにの経済けいざいや経済けいざい状況じょうきょうについてどう評価ひょうかするか」という質問しつもんに「とてもよい」と「よい」と回答かいとうした人ひとの割合わりあいは合あわせて10％にとどまり、国くにの経済けいざいをめぐり厳きびしい評価ひょうかとなっています。

西部せいぶアリゾナ州しゅうのスーパーに買い物かいものにきていた特定とくていの支持しじ政党せいとうはないという男性だんせいは「あらゆるものの値段ねだんが2倍ばい近ちかくになっており、生活せいかつに影響えいきょうしている。バイデン政権せいけんは私わたしのような人ひとたちを気きにかけていない。ことしの中間ちゅうかん選挙せんきょでは絶対ぜったいに共和党きょうわとうに投票とうひょうする」と話はなしていました。

アリゾナ州しゅうフェニックスでパーティーやイベント向むけに料理りょうりの宅配たくはいサービスを行おこなっているリカルド・アギーレさんは、食材しょくざい費ひやガソリン価格かかくなどの上昇じょうしょうを受うけてことしに入はいってから料理りょうりの値段ねだんを平均へいきんで16％程度ていど引き上ひきあげましたが、今いま、客きゃくからの注文ちゅうもんの減少げんしょうに直面ちょくめんしています。

物価ぶっかの高騰こうとうに合あわせるように注文ちゅうもんを受うける回数かいすうは減へり続つづけ、この3か月かげつ間かんの売り上うりあげは40％程度ていど、減少げんしょうしたということで、「すべてのものが高たかくなり、みんなお金おかねをあまり使つかわなくなった。われわれも価格かかくを調整ちょうせいしなければならないが、客きゃくからは『なぜこんなに高たかいんだ』と言いわれる」と話はなしました。

十分じゅうぶんな売り上うりあげがないなか、アギーレさんは必要ひつよう経費けいひの支払しはらいのため貯金ちょきんを取り崩とりくずしながら事業じぎょうを継続けいぞくしていて、政府せいふからは十分じゅうぶんな援助えんじょが受うけられていないと考かんがえています。

アギーレさんはここ数すう年ねん、民主みんしゅ党とうを支持しじしてきましたが、今回こんかいの中間ちゅうかん選挙せんきょでは共和党きょうわとうを支持しじすることも検討けんとうしていて、それぞれの政党せいとうの政策せいさくを見極みきわめて判断はんだんしたいとしています。

アギーレさんは「インフレをどうするつもりなのか、どうやって解決かいけつするつもりなのかがいちばんの関心かんしん事ごとだ。まだ決きめられていないが、共和党きょうわとうのほうが少すこしだけ多おおくの解決かいけつ策さくを持もっていると思おもうので共和党きょうわとう支持しじに傾かたむいている」と話はなしていました。

自身じしんの主張しゅちょうに同調どうちょうする中間ちゅうかん選挙せんきょの候補こうほ者しゃへの支持しじを次々つぎつぎと表明ひょうめいし、全米ぜんべい各地かくちで演説えんぜつを行おこなって存在そんざい感かんをアピールしています。

先月せんげつ、南部なんぶフロリダ州しゅうで数すう千せん人にんの共和党きょうわとう支持しじ者しゃを前まえに演説えんぜつしたトランプ氏しは、インフレの現状げんじょうに触ふれながら「今いま、私わたしたちの国くには衰退すいたいし、失敗しっぱいしている。われわれはこの国くにをすぐに取り戻とりもどす」と訴うったえました。

そしておととしの大統領だいとうりょう選挙せんきょで大だい規模きぼな不正ふせいが行おこなわれたという主張しゅちょうを繰り返くりかえし、「選挙せんきょは盗ぬすまれた。私わたしたちはもう一度もういちどやらなければならないかもしれない」と述のべて2024年ねんの大統領だいとうりょう選挙せんきょへの立候補りっこうほに意欲いよくをにじませました。

ただ、中間ちゅうかん選挙せんきょの機会きかいを通をつうじて求心力きゅうしんりょくの維持いじを目指めざすトランプ氏しに対にたいして、足元あしもとでは「トランプ離ばなれ」とも言いえる状況じょうきょうが指摘してきされています。

ロイター通信ろいた-つうしんなどが先月せんげつ下旬げじゅんに行いった世論せろん調査ちょうさによりますと、「トランプ氏しは大統領だいとうりょう選挙せんきょに立候補りっこうほすべきではない」という問といに、「強つよく賛成さんせいする」あるいは「ある程度あるていど、賛成さんせいする」と答こたえた人ひとは共和党きょうわとう支持しじ層そうの間まで6月つきの26％から32％に増加ぞうかしていました。

これについて共和党きょうわとう系けいの政治せいじコンサルタントのジョン・フィアリー氏しは「トランプ氏しは2年ねん前まえの選挙せんきょについてばかり語かたり、将来しょうらい何なにをしたいのか語かたらない。人々ひとびとは過去かこの話はなしにうんざりしている。この感情かんじょうは数字すうじでは表あらわせないがかなり多おおいと思おもう」と指摘してきしました。

東部とうぶメリーランド州しゅうに住すむ共和党きょうわとう支持しじ者しゃの男性だんせいは「トランプ氏しはいいこともたくさんしたが、悪わるいこともたくさんした。彼かれは自分じぶんの過あやまちを認みとめていない」と述のべて、現時点げんじてんでトランプ氏しを支持しじできないという考かんがえを示しめしていました。

共和党きょうわとう内ないでは、中間ちゅうかん選挙せんきょでトランプ氏しが前面ぜんめんに出過ですぎると無党派むとうは層そうなどを取り込とりこむうえでマイナスに働はたらく可能かのう性せいがあるという懸念けねんも出でていて、フィアリー氏しは「トランプ氏しに注目ちゅうもくが集あつまる現状げんじょうは共和党きょうわとうにとって必かならずしもいいことではない。ただ、トランプ氏しはそのようなことは気きにしない」と述のべて、トランプ氏しの動向どうこうが今後こんごの情勢じょうせいを左右さゆうする要素ようそになるという見方みかたを示しめしました。

このうち、複数ふくすうの世論せろん調査ちょうさで共和党きょうわとうの大統領だいとうりょう候補こうほとしてトランプ氏しに次ついで2番手ばんてにつけているのが南部なんぶフロリダ州しゅうのデサンティス知事ちじです。

新型しんがたコロナウイルスの対応たいおうで学校がっこうでのマスク着用ちゃくようの義務ぎむ化かを禁止きんしし、経済けいざい回復かいふくを目指めざして州しゅう内ないの規制きせいをいち早いちはやく解除かいじょするなど、保守ほしゅ層そうからの支持しじを意識いしきした政策せいさくを打ち出うちだし、注目ちゅうもくが集あつまっています。

こうした政策せいさくもあり、トランプ氏しの支持しじ者しゃを取り込とりこみながら支持しじを広ひろげているとみられ、東部とうぶニューハンプシャー州しゅうで6月つきに行おこなわれた世論せろん調査ちょうさでは、デサンティス氏しが次つぎの共和党きょうわとうの大統領だいとうりょう候補こうほとしてトランプ氏しを上回うわまわりました。

トランプ氏し支持しじからデサンティス氏し支持しじに切り替きりかえたという人ひとたちからは「トランプ氏しはすばらしいリーダーだったが私わたしたちには何なんらかの変化へんかが必要ひつようだ」とか「デサンティス氏しは分断ぶんだんをうむリーダーではなく、人々ひとびととうまくやるだろう」といった声こえが聞きかれました。

デサンティス氏しは4年ねん前まえの中間ちゅうかん選挙せんきょではトランプ氏しの全面ぜんめん支援しえんを受うけて知事ちじ選挙せんきょに臨のぞみ「ミニ・トランプ」とも言いわれましたが、今回こんかいの選挙せんきょではトランプ氏しに支持しじを要請ようせいせず、距離きょりをとる動うごきを見みせています。

また、トランプ政権せいけんで副ふく大統領だいとうりょうを務つとめたマイク・ペンス氏しもトランプ氏しと距離きょりをとりながら活動かつどうを活発かっぱつ化かさせています。

ペンス氏しは中間ちゅうかん選挙せんきょの共和党きょうわとうの候補こうほ者しゃ選えらびでトランプ氏しが支持しじする候補こうほとは別べつの候補こうほを支援しえんするなど一いち線せんを画かくす動うごきを見みせていて、先月せんげつ、首都しゅとワシントンで行おこなった演説えんぜつでは「一部いちぶの人々ひとびとは過去かこに焦点しょうてんを当あてることを選えらぶかもしれないが、選挙せんきょは未来みらいに関かかわるものだ。保守ほしゅ派はがアメリカを取り戻とりもどすには未来みらいに目めを向むけなければならない」と訴うったえました。

有力ゆうりょく紙し、ニューヨーク・タイムズなどが先月せんげつはじめに行いった世論せろん調査ちょうさでは、大統領だいとうりょう選挙せんきょに向むけた共和党きょうわとうの候補こうほ者しゃ選えらびでトランプ氏しに投票とうひょうするという人ひとが最もっとも多おおく49％、デサンティス氏しが25％、ペンス氏しが6％という結果けっかになっています。

共和党きょうわとう関係かんけい者しゃは中間ちゅうかん選挙せんきょの結果けっかは次つぎの大統領だいとうりょう選挙せんきょに向むけたそれぞれのリーダーの求心力きゅうしんりょくに大おおきな影響えいきょうを及およぼすことになると指摘してきしています。