卒業式の
君が代斉唱で
起立せず、
東京都教育委員会から
停職6か月の
懲戒処分を
受けた
元教職員の
女性が、
処分の
取り消しを
求めた
裁判で、
2審の
東京高等裁判所は「
処分は
裁量権を
逸脱して
違法だ」として
処分を
取り消す判決を
言い渡しました。
東京 あきる野市の
特別支援学校の
教職員だった69
歳の
女性は
平成21
年の
卒業式で、
君が代を
斉唱する
際に
起立せず、
東京都教育委員会から
停職6か月の
懲戒処分を
受けたのは
不当だと
訴えました。
1審は「過去にも8回、懲戒処分を受け、処分が重すぎるとはいえない」として訴えを退け、女性が控訴していました。
25日の2審の判決で、東京高等裁判所の小川秀樹裁判長は「積極的に式典を妨害したわけではなく、君が代を斉唱する際に起立しなかったという消極的な行為で、処分とのバランスを著しく欠き、裁量権を逸脱して違法だ」と指摘して、1審とは逆に懲戒処分を取り消しました。
判決について、元教職員の女性は「日の丸、君が代が当たり前だと思われている中で、教員たちが『おかしい』と言える状況になると思い、うれしいです」と話しています。
一方、東京都教育委員会は「誠に遺憾です。今後、判決内容を確認し、対応を検討していきます」とコメントしています。