米べい大統領だいとうりょう イラン核かく合意ごういの離脱りだつ発表はっぴょう 過去かこ最大さいだい級きゅうの経済けいざい制裁せいさいへ

核かく合意ごういはイランの核かく開発かいはつを大幅おおはばに制限せいげんする代かわりに関係かんけい国こくが制裁せいさいを解除かいじょするとしたものですが、トランプ大統領だいとうりょうは「欠陥けっかんがある」と非難ひなんし、今週こんしゅう１いち２に日にちの期限きげんまでに合意ごういの欠陥けっかんが修正しゅうせいできなければ、核かく合意ごういから離脱りだつすると警告けいこくしてきました。

アメリカが離脱りだつの方針ほうしんを明あきらかにしたことで、核かく合意ごういの枠組わくぐみが崩壊ほうかいにつながるおそれもありイランが強つよく反発はんぱつするのは確実かくじつです。

イランの核かく合意ごういをめぐっては、先月せんげつ、フランスのマクロン大統領だいとうりょうやドイツのメルケル首相しゅしょうらが相次あいついでワシントンを訪問ほうもんし、核かく合意ごういの維持いじを求もとめてきましたが、トランプ大統領だいとうりょうの判断はんだんに対にたいし、ヨーロッパなど国際こくさい社会しゃかいにも大おおきな波紋はもんを広ひろげることになりそうです。

イスラエル首相しゅしょう「勇気ゆうきある決断けつだんに感謝かんしゃ」

イスラエルのネタニヤフ首相しゅしょうは、アメリカのトランプ大統領だいとうりょうがイラン核かく合意ごういからの離脱りだつを表明ひょうめいしたあと、直ただちに会見かいけんし、「イスラエルは当初とうしょからイラン核かく合意ごういに反対はんたいしており、トランプ大統領だいとうりょうの歴史れきし的てきな勇気ゆうきある決断けつだんに感謝かんしゃしたい」と述のべました。

一方いっぽう、イスラエル軍ぐんは隣国りんごくのシリアにあるイランの軍事ぐんじ施設しせつで不審ふしんな動うごきが確認かくにんされたとして、シリアと接せっする地域ちいきについてはミサイル攻撃こうげきを警戒けいかいし、避難ひなん用ようのシェルターをすぐに使用しようできるよう準備じゅんびを指示しじしました。また、ミサイルを迎撃げいげきするための防衛ぼうえいシステムの配備はいびも各地かくちで進すすめているとしています。

サウジアラビア 米べいの判断はんだんを歓迎かんげい

イランと敵対てきたいするサウジアラビアは８はち日にち、国営こくえい通信つうしんを通をつうじて声明せいめいを発表はっぴょうし、トランプ大統領だいとうりょうの判断はんだんを歓迎かんげいしました。そのうえで「サウジアラビアはイランが核かく開発かいはつを進すすめたり、大量たいりょう破壊はかい兵器へいきを取得しゅとくしたりすることが絶対ぜったいにないように、アメリカや国際こくさい社会しゃかいとともに連携れんけいしていく」として、イランが地域ちいきでの影響えいきょう力りょくを拡大かくだいしないようアメリカなどと協力きょうりょくしていく姿勢しせいを強調きょうちょうしました。

仏ふつ大統領だいとうりょう「米べいの決断けつだんを残念ざんねんに思おもう」

アメリカのトランプ大統領だいとうりょうがイラン核かく合意ごういから離脱りだつすると発表はっぴょうしたことに対にたいし、フランスのマクロン大統領だいとうりょうは８はち日にち、ツイッターに「フランスとドイツ、そしてイギリスはアメリカの決断けつだんを残念ざんねんに思おもう。核かく不ふ拡散かくさんの体制たいせいが危機ききにひんしている」と投稿とうこうし、トランプ大統領だいとうりょうの決断けつだんを批判ひはんしました。

ＥＵい-ゆ- 核かく合意ごうい維持いじ 制裁せいさい解除かいじょ続つづける考かんがえ

イラン核かく合意ごういの交渉こうしょうの調整ちょうせい役やくを担になったＥＵい-ゆ-＝ヨーロッパ連合れんごうのモゲリーニ上級じょうきゅう代表だいひょうは８はち日にち、訪問ほうもん先さきのイタリアで緊急きんきゅうの記者きしゃ会見かいけんを行おこない、遺憾いかんの意いを示しめしました。そのうえで、「イランが義務ぎむを果はたすかぎり、ＥＵい-ゆ-も核かく合意ごういの内容ないようを完全かんぜんに履行りこうする」と述のべ、アメリカが離脱りだつしても核かく合意ごういを維持いじし、制裁せいさいの解除かいじょを続つづける考かんがえを示しめしました。

さらに、イランとの核かく合意ごういは世界せかいの核かく不ふ拡散かくさんの枠組わくぐみの維持いじや朝鮮ちょうせん半島はんとうの非核ひかく化かを目指めざすうえで重要じゅうような役割やくわりを担になっているとして、アメリカの離脱りだつによって北朝鮮きたちょうせんの非核ひかく化かを目指めざす国際こくさい社会しゃかいの外交がいこう努力どりょくに悪あく影響えいきょうが出でることに懸念けねんを示しめしました。

また、トランプ大統領だいとうりょうが過去かこ最大さいだい級きゅうの経済けいざい制裁せいさいを科かすと発表はっぴょうしたことについても懸念けねんを示しめし、直ただちに関係かんけい国こくの外相がいしょうらと協議きょうぎする考かんがえを示しめしました。

一方いっぽう、ＥＵい-ゆ-のトゥスク大統領だいとうりょうも来週らいしゅう、ブルガリアで開ひらかれる首脳しゅのう会議かいぎで対応たいおうを協議きょうぎする考かんがえを示しめしました。

また、トランプ大統領だいとうりょうの発表はっぴょうに先立さきだって、ＥＵい-ゆ-とイギリス、ドイツ、フランスの３さんか国かこく、それにイラン外務省がいむしょうの高官こうかんは８はち日にち、ベルギーの首都しゅと、ブリュッセルにあるＥＵい-ゆ-本部ほんぶで協議きょうぎしました。協議きょうぎの具体ぐたい的てきな内容ないようは明あきらかになっていませんが、今後こんごの核かく合意ごういの枠組わくぐみについて意見いけんを交かわしたものと見みられ、アメリカを除のぞく関係かんけい国こくの対応たいおうが注目ちゅうもくされます。