旧きゅう日本にっぽん軍ぐんの“Ｕゆ-ボート” 京都きょうと府ふ沖おきの若狭わかさ湾わんで発見はっけん

その結果けっか、深ふかさおよそ90メートルのところに旧きゅう日本にっぽん海軍かいぐんの潜水せんすい艦かん３さん隻せきを見みつけ、撮影さつえいに成功せいこうしました。このうち１いち隻せきは艦かん首くびの特徴とくちょうなどから、ナチスドイツの「Ｕゆ-ボート」で、旧きゅう日本にっぽん海軍かいぐんが「呂りょ500」と名前なまえをつけた潜水せんすい艦かんと確認かくにんできたと言いうことです。

「呂りょ500」は太平洋たいへいよう戦争せんそう中ちゅうの昭和しょうわ18年ねん、技術ぎじゅつ協力きょうりょくの目的もくてきで同盟どうめい国こくのドイツから譲渡じょうとされ、およそ90日間にちかんの航海こうかいの末すえ、広島ひろしま県けん呉くれ市しに到着とうちゃくしました。主おもに訓練くんれんに使つかわれ、終戦しゅうせんのよくとし、アメリカ軍ぐんによって沈しずめられ処分しょぶんされました。

調査ちょうさチームによりますと、全長ぜんちょう70メートルある船体せんたいに大おおきな破損はそんは見みられず、ほぼ原型げんけいをとどめているということです。また、ほかの２に隻せきは、南太平洋みなみたいへいようの戦たたかいなどに参加さんかした「呂りょ68」と「伊い121」と確認かくにんできたということです。

調査ちょうさチームの九州きゅうしゅう工業こうぎょう大学だいがくの浦うら環かん特別とくべつ教授きょうじゅは会見かいけんで「記録きろくどおりに３さん隻せきが見みつかった。日本にっぽんとドイツの間までは技術ぎじゅつや人ひとの交流こうりゅうを目的もくてきに潜水せんすい艦かんが使つかわれたが途中とちゅうで撃沈げきちんされて到着とうちゃくできなかったものも多おおい。呂りょ500は状態じょうたいもよく、戦時せんじ中ちゅうの技術ぎじゅつ協力きょうりょくの実態じったいを知しる上うえで重要じゅうようで、今後こんご詳くわしく分析ぶんせきをしたい」と話はなしています。

”Ｕゆ-ボート”「呂りょ500」とは

「呂りょ500」は、昭和しょうわ16年ねん、ナチス・ドイツが建造けんぞうしたＵゆ-ボートで、ドイツでは「Ｕゆ-ー511」と呼よばれていました。大だい西洋せいようを航行こうこうするアメリカやイギリスの商船しょうせんを攻撃こうげきして輸送ゆそうを妨害ぼうがいする作戦さくせんに参加さんかし、その後そのご、同盟どうめいを結むすんでいた日本にっぽんに対にたいし、技術ぎじゅつ協力きょうりょくの一環いっかんで譲渡じょうとが決きまりました。

「Ｕゆ-ー511」は、ドイツ軍ぐんの技術ぎじゅつ者しゃのほか、日本にっぽんに着任ちゃくにんするドイツ大使たいしや、帰国きこくする日本にっぽん軍ぐん将校しょうこうも乗のせていたとされ、ドイツを出航しゅっこうし、南アフリカみなみあふりかの喜き望もち峰ほうを回まわってインド洋いんどようを航行こうこうし、およそ90日間にちかんかけて広島ひろしま県けん呉くれ市しに到着とうちゃくしました。その後そのご、日本にっぽん海軍かいぐんの潜水せんすい艦かんとなり、「呂りょ500」と名付なづけられました。

当初とうしょ、日本にっぽん海軍かいぐんはＵゆ-ボートの技術ぎじゅつを取り入とりいれ新あたらしい潜水せんすい艦かんの量産りょうさんを検討けんとうしたものの物資ぶっし不足ふそくなどから実現じつげんしなかったとされ、「呂りょ500」は、主おもに訓練くんれん用ようとして使つかわれ、終戦しゅうせんのよくとし、アメリカ軍ぐんによって海うみに沈しずめられ処分しょぶんされました。戦争せんそうが激はげしさをます中なか、日本にっぽんとドイツの間まの行き来いききは、陸路りくろや空路くうろでの移動いどうが難むずかしくなり潜水せんすい艦かんが数少かずすくない手段しゅだんとなっていましたが、ほとんどの潜水せんすい艦かんが途中とちゅうで撃沈げきちんされたと言いわれています。