タイ
北部の
洞窟から
出られなくなっている
少年などの
救出活動は
9日、
2日目を
迎え、
新たに
4人が
救出されました。
救出活動にあたっている
対策本部の
責任者は、
洞窟に
残されている
5人の
救出を
急ぐ考えを
示しました。タイ
北部チェンライ
県の
洞窟では
先月23
日から
地元サッカー
チームの
少年12
人とコーチの
合わせて13
人が
大量の
水に
阻まれて
出られなくなっていましたが、
8日、
4人の
少年が
洞窟の
外に
助け出されたのに
続き、
9日、
新たに
4人が
救出されました。
これで合わせて8人が無事に救出され、洞窟に残されているのは5人となりました。
救出活動にあたっている対策本部の責任者は、9日夜、会見を開き、「成功してとても幸せだ」と述べました。
そのうえで、今後については「準備こそが次の救出活動の成功を可能にする」と述べ、9日の救出活動で使い切った洞窟内の空気ボンベの補充などの準備を急ぐ考えを示しました。
さらに、救出活動に携わる兵士の習熟度があがっており、準備や救出にかかる時間は今後、短縮できるとの見方を示しました。
一方、8日救出された4人の少年については、健康状態は良好なものの感染症のおそれがあるため、家族などと隔離された状態が続いていることを明らかにしました。
救出された少年たちの今後は
タイの主要メディアは、洞窟から助け出された少年たちは少なくとも5日間、病院で検査や治療を受ける見通しだと伝えています。
その後、9日間にわたってタイでは一般的な短期間の出家を行うということです。
これは、少年たちの行方がわからなくなり捜索が行われていた段階から家族が要望していたもので、今回の災難を受け、厄をはらうという意味合いもあるということです。
国民の90%以上が仏教を信仰しているタイでは、男子は一生に一度は出家することが望ましいとされ、短期間の出家を行い、仏教の教えを学ぶことが慣習の1つとなっています。
また、タイ政府が少年たちの回復を願って、一人ひとりに日本円でおよそ1万円の見舞金を支給するほか、少年たち全員に地元のプロサッカーチームの試合を生涯にわたって無料で観戦できる権利を与えると伝えています。
校長「全員救出を願っている」
洞窟から出られなくなっている12人のうち、6人の少年が通う学校の校長は、9日午後、記者会見を開きました。
このなかで、校長は8日助け出された4人の少年について、「この中に本校の生徒がいるかどうかは学校としてはわからない。全員が無事に救出されることを願っている」と述べました。
そして家族の状況について、「私たちは常に家族と電話で連絡を取り、『救助隊が必ず全員を無事に助け出す』と伝え、励ましている」と述べ、学校として家族のサポートに当たっていることを明らかにしました。
今後の課題として、救出後の生徒たちの学校生活について触れ、「生徒たちが助け出され、肉体的にも精神的にも回復して学校に戻ってきた時には、できるかぎり普通に接し、教師やほかの生徒もみんなで彼らをサポートしたいと思っている」と話しました。
少年たちと同じサッカーチームに所属している14歳の男子生徒も会見に同席し、「彼らはふだん学校でも陽気で活動的で、一緒にいて楽しいです。洞窟に残っている少年たちのことが心配ですが、まず4人が助けられたことはうれしいです」と話しました。