猛暑が
続いていることの
体への
影響について、
熱中症に
詳しい専門家は「
暑い中にいたあと
体調が
悪いと
感じれば
熱中症を
疑う必要が
ある」と
話しています。
帝京大学医学部附属病院高度救命救急センターの
三宅康史センター
長は「
昼間の
気温が
体温に
近かったり
体温を
超えたりすると、
空気中に
体の
熱を
捨てることが
ほとんどできなく
なる。
また、
体が
温められた
中で
体を
動かすと
熱を
作り出すので、さらに
体が
熱くなる」と
指摘しています。
また「過去のデータでは、猛暑日の3日目や4日目から急激に熱中症の患者が増える。重症患者が増えるのもこの時期だ。高齢者で少し元気のない方が熱中症にかかり始めていて、今後すごい勢いで増える可能性がある」と話しています。
そのうえで、熱中症の症状や注意点について三宅センター長は「暑い環境にいると、手足のしびれやむくみを感じ、少し症状が進むと頭痛や吐き気、それにけん怠感が出てくる。しかしこうした症状にこだわらず、暑い中にいたあと体調が悪いと感じれば熱中症を疑う必要がある。また、自分ではわからないこともあるので、周りの人が『元気がない』『食欲が落ちたけれど大丈夫か』などと早く気付いてあげることが大切だ」と話しています。
さらに、屋外で作業をする場合は休憩の時間と量を増やし、冷房の効いた室内で水分を十分にとって休むほか、スポーツや無理な外出はしないなどの対策を取るよう呼びかけています。
子どもはリスク高 “集団行動”に特に注意
猛暑の子どもの体への影響について、三宅センター長は「子どもの体は、表面から空気中に熱を捨てる=放熱することを中心に体温を下げる仕組みになっているが、気温が上がると放熱できなくなる。さらに、大人に比べて背が低いため、路面から反射する熱=ふく射熱を受けやすい」として、猛暑になると子どもは大人より熱中症になるリスクが高いと説明しています。
そのうえで、熱中症を防ぐために特に気をつける必要があると指摘しているのが「集団行動」です。
三宅センター長は「試合や練習、それに学校行事など、みんなで出かけて何かをする時には『1人だけ弱音を吐けない』『自分だけ遅れたくない』という意識が子どもでも働く。無理をして、体力がなかったり体調が悪かったりする子どもから熱中症になることがよくある」と話しています。
そのうえで、熱中症を予防するには「子どもの様子がいつもとは違うと周りの人が早く気づくことや、調子が悪いことを子どもが言いやすい環境を作ってあげることが大切だ」としています。
さらに「子どもの集団行動を管理する側が、練習量などを天候と照らし合わせてコントロールすることが重要だ」と訴えています。