6日午後0時20分ごろ、東海道新幹線の掛川駅と静岡駅の間を走る上りの「のぞみ12号」で停電が発生し、上り線は新大阪駅と東京駅の間で、下り線は東京駅と名古屋駅の間で運転を見合わせました。
そのあと、JRが車両の点検などを進めた結果、午後3時20分までに上下線ともに運転を再開しました。
JR東海静岡支社によりますと「のぞみ12号」は停電が起きたためパンタグラフを改めて上げ直したところ、再び停電が発生したということで、JRが停電の原因を調べています。
「のぞみ12号」は3時間近くにわたって静岡市のトンネル内で止まっていましたが、体調不良などを訴える人はいなかったということです。
乗客は静岡駅で後続の列車に乗り換えたということです。
この影響で東海道新幹線は上下線ともに現在も大幅な遅れが出ているということです。
【運転見合わせ時の車内の様子は】
のぞみ12号の乗客「エアコンが止まっているので車内が暑い」
送電ができなくなり、静岡駅と掛川駅の間のトンネル内に停車している「のぞみ12号」の乗客の男性が6日午後0時20分ごろに撮影した映像によりますと、暗い車内の中で非常灯のみが点灯しています。
撮影した男性によりますと、エアコンが止まっていて、車内が暑くなっているということです。
ドアの前で立ったままの男性の姿が見られます。
撮影した男性は「0時16分ごろに突然バンと大きな音がして電気が消えました。『立っている人は気をつけてください』というアナウンスが聞こえ、だんだんと車両のスピードが落ちてトンネルの中でとまりました。そのあと3回ほどバンという音と共に窓の外が光っているのが見えました」と話していました。
また、車両が停止したあとの車内について、「エアコンが止まって車内が蒸し暑くなり、水がすぐに配られました。トイレが使えなくなり、簡易トイレが設置されて、長い列ができていました。しばらくして、1号車から8号車のエアコンが動いているという案内を受けて、車両を移動しました」と話していました。
のぞみ12号はその後、静岡駅に移動して、乗客は後続の列車に乗り換えることになったということで、男性は「静岡駅のホームで乗り換える列車を待っていると、また水が配られました。暑いので汗をタオルで拭いています。ホームでは、駅員が『体調は大丈夫ですか』などと声をかけたり、特急券の払い戻しの案内をしたりしています。停電で不安でしたし、予定より遅れましたが、これから目的地に向かいます」と話していました。
掛川駅付近で停車車両の乗客「車内は特段混乱した様子ない」
JR掛川駅付近で停車している東海道新幹線の上りの車内で午後0時40分ごろに撮影された映像によりますと、車内の電光掲示板には、停電で一部区間が運転見合わせになっているという情報が流れていて、撮影した男性によりますと男性が乗っている新幹線では明かりや空調は通常どおり使えているということです。
男性は「のぞみ12号に車両トラブルがあり停電していて、点検には1時間程度かかるとアナウンスがありました。乗客は携帯で連絡をとったりしていて車内は特段、混乱した様子はありません」と話していました。
車内では飲み物の配布などの対応 JR東海
JR東海によりますと、当初、一部の新幹線では停車中でも蓄電池を使って冷房を作動させることができると説明していましたが、これは今後導入される新しい車両だということです。
今回は停電で冷房が止まったため、飲み物を配ったりドアを開けたりするなどして対応したということです。
新大阪駅では運転再開待つ人で混雑
東海道新幹線が停電の影響で一時、運転を見合わせたことを受けて、新大阪駅の改札口付近でも運転再開を待つ人たちで混雑していました。
新大阪駅の新幹線中央改札の付近では、6日午後3時ごろ、観光客やビジネス客が運行状況を知らせる電光掲示板やホワイトボードなどで情報を確認したりスマートフォンで飛行機などの予約をしたりしていました。
駅の構内では、暑さや疲れから座り込んで運転再開を待つ人の姿もありました。
大阪での出張を終えて東京に向かう予定だった20代の男性は「駅には来てみましたが、案の定、新幹線が運転していなくて、これからどうしようかなという感じです。きょうは暑いので、乗る予定だった新幹線もなるべく早く動いてほしいです」と話していました。
大阪から私用で東京へ向かうという30代の女性は「もう2時間ぐらい待っています。新幹線がなかなか動かないので困っていますが、しかたないですね」と話していました。
東海道新幹線は午後3時20分までに上下線とも運転を再開しましたが、新大阪駅では週末とあって乗車を待つ人たちなどでやや混雑した状況が続いています。