富士山は、今月1日の山梨県側に続き、10日、静岡県側の3つの登山口から山頂へ向かうルートが開通し、本格的な夏山シーズンに入りました。
このうち、富士宮市の富士宮口6合目では、登山道に設置されていた柵が撤去され、開山を待つおよそ20人の登山者が作業を見守りました。
そして午前9時に県の担当者が「冬季の閉鎖を解除します」と述べ、開山を宣言すると、登山者たちは続々と山頂を目指して登山道をのぼり始めました。
静岡県によりますと、10日の富士山は、午前中、山頂付近は雲に覆われ風が強いということです。
富士宮市から来た19歳の男子大学生は「最初の日に来ることができて、よかったです。安全に気をつけて、一歩一歩かみしめて登りたいです」と話していました。
愛知県から来たという60代の男性は「去年から計画して山開きに合わせて来ました。ただ、上のほうは天気が悪いと聞いたので、予定を変更して途中で引き返すことにします。安全第一で行ってきます」と話していました。
富士山本宮浅間大社で開山式 安全を祈願
静岡県富士宮市の富士山本宮浅間大社では、開山式が行われ、登山者の安全を祈願しました。
開山式は、午前8時すぎから行われ、地元の観光関係者らおよそ300人が参加しました。
登山者を乗せたバスが鳥居前に到着すると、神職がバスに向かっておはらいをして安全を祈願し、富士宮市の須藤秀忠市長が夏山シーズンの開幕を宣言しました。
家族で訪れた北海道の男性は、「きょうは9合目に泊まる予定です。ご来光が見られればうれしいです」と話していました。
このあと、白装束姿の関係者が富士山の標高にちなんだ長さ3.776メートルの大金剛杖(だいこんごうづえ)を担いで参道を歩き、拝殿前に奉納しました。
拝殿前では山岳救助隊による夏山救助の開始式も行われ、警察と消防の関係者が須藤市長に活動の開始を報告しました。
「富士山お山開き」実行委員会の石田寛二実行委員長は、「ゆっくりと焦らずに、安全に登山していただきたいと思います」と話していました。