太平洋でとれるクロマグロの資源管理を話し合う国際会議は、今月16日まで開かれる予定で、初日の10日は、日本をはじめアメリカ、韓国、台湾など合わせて13の国と地域の代表が参加しました。
太平洋のクロマグロは、乱獲などの影響で資源量が一時、大きく減少しましたが、国際的に資源管理に取り組んだ結果、現在は回復傾向にあります。
こうした状況を踏まえ、日本は、今回の会議で日本の近海を含む中西部の太平洋でのクロマグロの漁獲枠を増やすよう求めています。
具体的には、▽30キロ以上の大型のマグロは今の2.3倍に、▽30キロ未満の小型のマグロは、30%増やすことを提案しています。
会議には坂本農林水産大臣がビデオメッセージを寄せ、「資源管理の努力は実を結んだ際には報われるべきであり、資源の早期かつ大幅な回復に対応した、適切な措置が合意されることを強く期待する」と述べました。
ただ、参加する国や地域の間では、漁獲枠の大幅な増枠に対して慎重な声も上がるなど、意見の隔たりもあるだけに、増枠で合意できるかが焦点です。
クロマグロ資源量の推移
水産庁によりますと、太平洋でのクロマグロの親の魚の資源量は、1960年代には10万トン以上ありましたが、その後は乱獲などで大きく減少しました。
1980年代に1万4000トン程度まで減少したあと、いったんは回復し、1995年には7万9000トン余りまで増加しました。
しかし、その後は再び減少に転じ、2010年には、1万2000トン余りまで落ち込みました。
こうした状況を受けて、国際的にクロマグロの資源管理を強化した結果、2022年には、14万4000トン余りに回復しました。