去年1
月、
埼玉県ふじみ野市の
住宅に
立てこもり、
母親の
主治医を
散弾銃で
殺害した
罪などに
問われている67
歳の
被告の
裁判で、
検察が
事件の
一部始終が
録音された
音声を
法廷で
再生し、
切迫した
当時の
状況を
明らかにしました。
去年1月、埼玉県ふじみ野市の住宅で、弔問に訪れて人質になった44歳の医師が散弾銃で殺害され、一緒にいた理学療法士も大けがをさせられた事件では、およそ11時間自宅に立てこもった渡邊宏被告(67)が殺人などの罪に問われています。
30日、さいたま地方裁判所で2回目の審理が開かれ、検察は事件の一部始終を被告が録音した音声を法廷で再生しました。
音声はおよそ25分間で、発砲する直前まで被告が医師に対して、すでに死亡していた母親の蘇生を求める会話などが録音されています。
そして、突然2発の銃声が鳴り、「110番」と叫ぶ声や「助けて」「痛い」という男性の声などのあとに、さらにもう一発銃声が響く、切迫した当時の状況が明かされました。
続いて、警察が、録音した立てこもった被告との電話のやりとりとして、「母を亡くして生きていてもしかたなく、道連れにして死のうと思った。脅しで撃ったら、たまたま脇腹に当たってしまった」などという当時の説明も再生されました。
被告は、この間、音声が書き起こされた資料にじっと目を落としていました。