11月1日午後3時ごろ、愛媛県大洲市戒川で出火した山火事は、11月2日も火の勢いが弱まらず、延焼が続いています。
現場は山の頂付近で地上からの消火活動は難航し、11月2日朝から自衛隊や愛媛県の防災ヘリが上空から放水しています。
愛媛県によりますと、これまでに山林およそ9ヘクタールが焼け、59歳の男性が顔に軽いやけどをしたということです。
これまでのところ住宅への被害は確認されていませんが、大洲市は今後、延焼のおそれもあるとして
▽白滝地区加世に住む28世帯53人に避難指示を
▽白滝地区全域の266世帯513人に「高齢者等避難」の情報を出して、高齢者など避難に時間のかかる人に対して早めの避難を呼びかけています。
松山地方気象台によりますと、山火事の現場に近い大洲市長浜の観測地点では、午前6時すぎに14.4メートルの最大瞬間風速を観測し、周辺では局地的に風が強まっています。
また9月以降、雨が少ない状態が続き、今後もしばらく晴れの日が続くということで、気象台は「風が強まった場合、延焼がさらに拡大するおそれがある」として注意を呼びかけています。
避難所に周辺の住民らが次々と避難
山火事のため開設された避難所には、11月2日朝から現場周辺の住民らが次々と避難しています。
山火事の現場から南におよそ2キロほど離れた白滝公民館には、午前10時時点で地域の住民ら10人が避難しています。
11月2日朝、妻と避難してきたという大洲市戒川地区の惣谷夫二郎さん(83)は山火事から1キロほど離れたところに自宅があるということです。
惣谷さんは「昨夜は、火事が気になって、1時間おきに目が覚めて外に出て様子を見ていた」と不安そうに話していました。
また、大洲市長浜町大越の鎌田和子さん(72)は「西向きの風で火が近づいてきて灰が自宅まで飛んきた。昨夜は怖くて寝られなかった。延焼が続いていて自宅が燃えていないか心配だ。早く鎮火してほしい」と話していました。