※11月5日(日本時間)のイスラエルやパレスチナに関する動きを随時更新でお伝えします。
イスラエル軍 ハレビ参謀総長 ガザで部隊視察 映像公開
イスラエル軍は4日、ハレビ参謀総長がガザ地区に入り地上部隊を視察している様子だとする映像を公開しました。
ヘルメットをかぶり銃を携えたハレビ参謀総長は護衛の兵士に囲まれながら部隊をまわったあと、集まった将校らを前に「あなたがたのことを誇りに思う」などと激励していました。
イギリス フランス ドイツで即時停戦求めるデモ
イスラエルがガザ地区への攻撃を続けるなか、4日、イギリスの各地で、即時停戦を求めるデモが行われました。
デモはイギリス国内のおよそ60か所で行われ、このうち、ロンドン中心部のトラファルガー広場には、主催者の発表でおよそ5万人が集まりました。
参加者たちはパレスチナの旗を掲げたり「パレスチナに自由を」と書かれたプラカードを掲げたりしながら、「今すぐ停戦を」などとシュプレヒコールを上げました。
また、イスラエル出身の77歳の男性は「私はユダヤ人で、両親はアウシュビッツ強制収容所から生還した。だから、ホロコーストが何かを知っている。イスラエルは、『10月7日にユダヤ人に起こったことはホロコーストのようだ』と主張しているがこれはユダヤ人に対する大量虐殺と同じものではない。私は1人の民間人の殺害も支持していない」と話し、即時停戦を訴えました。
4日にはフランスとドイツでも即時停戦を求めるデモが行われました。
このうちパリで行われたデモには、警察の発表でおよそ1万9000人が参加したということです
また、ドイツの首都ベルリンの中心部では大勢の人がパレスチナの旗を振ったり「ガザでの虐殺をやめて」などと書かれたプラカードを掲げたりしながら行進し、即時停戦を訴えていました。
ブリンケン国務長官「戦闘の一時的な停止」求める
アメリカのブリンケン国務長官はイスラエルを訪問したあと、4日、ヨルダンで、エジプトやサウジアラビア、カタールなどアラブ諸国の外相らと会談しました。
会談後、ブリンケン長官は、ヨルダンのサファディ外相やエジプトのシュクリ外相とともに記者会見を行い、会談で人道支援や戦闘の拡大を防ぐ手だてなどをめぐって意見を交わしたことを明らかにしました。
会見でサファディ外相やシュクリ外相が民間人の犠牲を防ぐため即時停戦が必要だと述べたのに対し、ブリンケン長官はイスラエルの自衛の権利を支持する立場を改めて示した上で「今、停戦を行うと、ハマスがとどまり、再編成し、10月7日の行いが繰り返されるだけだ」と述べ、停戦はハマスを利するだけだと主張しました。
そして「ガザ地区の民間人の窮状を深く懸念している。だからこそ、人道目的での『戦闘の一時的な停止』が必要だ」と述べ、引き続きイスラエルに対し、ガザ地区への必要な物資の搬入や民間人の避難などのために「戦闘の一時的な停止」を求めていく考えを強調しました。
イスラエル 再び退避呼びかけ “ハマスが退避を妨害”と非難
イスラエル軍は4日もガザ地区北部を中心に地下トンネルを破壊するなどハマスの軍事拠点への攻勢を強めていて、激しい空爆によって一時、ガザ地区の市街地の一帯が白い煙に包まれました。
またガザ地区北部のジャバリア難民キャンプにある、国連機関が運営する学校では4日、爆発があり、避難していた住民などこれまでに15人が死亡し70人がけがをしたということです。
こうした中、イスラエル軍の報道官はガザ地区北部の住民に対し、現地時間の午後1時から午後4時にかけてガザ地区を南北に貫くサラハディン通りを人道的な理由から開放するとSNSを通じて発表し、南部への退避を再び呼びかけました。
しかしイスラエル軍はハマスの戦闘員が経路を確保しようとしていたイスラエル兵に向けて砲撃するなど「住民の安全と南への移動を妨げている」と主張していて、わずか3時間の間に住民の退避が進んだかは不透明です。
一方、パレスチナ赤新月社は4日、ガザ地区最大級の医療機関、シファ病院の近くで2台の救急車がイスラエル軍のミサイル攻撃を受け、15人が死亡した問題について、詳細な情報を発表しました。
それによりますと救急車には砲弾などの破片で胸と足を負傷して集中治療室での対応が必要なため南部に搬送される予定だった35歳の女性が乗っていたと説明しています。
救急車にはハマスの戦闘員が乗っていたとするイスラエル軍の主張に反論した形ですが、イスラエル軍もこの問題でより詳しい情報を示す用意があることを明らかにしています。
一連の衝突で、ガザ地区の保健当局によりますと死者は9488人に上っているほか、がれきに埋もれるなどして行方が分からない人も2000人以上いるということです。
またイスラエル側は少なくとも1400人が死亡し、240人以上がガザ地区で人質になっています。