山崎投手は7日午後、報道陣の取材に応じ、FAの権利を行使したことを明らかにしました。そのうえで「1人の野球人として、オリックスや他球団の評価を聞きたくて行使を決めた」と理由を説明しました。
球団を選択する基準については「自分が一番、活躍できる場所を選ぶことに重点を置いている。球団からは『まずはしっかりと周りの評価を聞いてこい』と言ってもらえている」と話しました。
またファンに向けては「9年間応援してくれて感謝している。これからも熱い声援を送ってほしい」と感謝の気持ちを話していました。
プロ9年目、31歳の山崎投手は、ことし8月に国内の移籍に限ったFAの権利を取得し、球団などによりますとシーズン中から球団と話し合いを続け、日本シリーズが終わってから権利の行使を決断したということです。
オリックスの横田昭作球団本部長は「オリックスにいてもらいたいと伝え、条件提示もした。『いろいろと他球団の話を聞いてもらったうえで、いつでも連絡して』とも伝えてある」と話していました。
FA宣言した選手は、11月16日から所属球団を含めた各球団と交渉できるようになります。
多彩な変化球が持ち味 打撃にも定評
山崎福也投手は埼玉県所沢市出身の31歳。プロ9年目の左ピッチャーです。
日大三高で3年生の時にセンバツ高校野球でエースとして準優勝を果たし、打撃でも13本のヒットを打って一大会の最多安打記録に並びました。
明治大学に進学後は、日米大学野球選手権で日本代表に選ばれ、2014年のドラフト1位で入団しました。
150キロ近いストレートにチェンジアップやスライダーなどの多彩な変化球が持ち味で、プロ1年目には先発として3勝を挙げました。
その後は先発と中継ぎをしながら一軍に定着し、今シーズンは先発ローテーションを守って23試合に登板し、初めてのふたけた勝利となる自己最多の11勝を挙げてパ・リーグ3連覇に貢献しました。
また、3年連続で日本シリーズに先発として登板し1勝0敗の成績を残しています。
高校時代から得意としていたバッティングにも定評があり、ここまでプロ9年間で22打数6安打、打率は2割7分3厘となっています。
山崎投手は中学3年生の時に脳腫瘍が見つかり手術を受け、病を乗り越えてプロ野球選手になりました。
ドラフトで指名を受けた当時、「病気で苦しんでいる人のためにも頑張って、気迫のこもったピッチングを見せていきたい」と決意を示していて、日本一を果たした昨シーズン終了後には、みずからの経験をもとに脳腫瘍の患者を支援している団体に対し、シーズン中に投げた114イニングに合わせて114万円の寄付をしました。