※11月9日(日本時間)のイスラエルやパレスチナに関する動きを随時更新でお伝えします。
イスラエル軍 地下トンネルの破壊進める
イスラエル軍は主にガザ地区北部で、空爆や地上部隊による砲撃によって急ピッチで、地下トンネルの破壊を進めているものとみられます。
また、イスラエル軍はSNSを通じて、ガザ地区北部にとどまる住民に時間と経路を示して南部への退避を通告し、数千人の住民がこれに従ったと発表しました。
一方、多くの人が避難している病院にも攻撃の被害が出ているほか、燃料不足も深刻となる中、医療活動の継続が危ぶまれていて、国連によりますとガザ地区の入院設備のある医療機関の4割が閉鎖したということです。
検問所 退避をめぐって混乱続く
こうした中、南部にあるエジプトとの検問所では、今月1日から始まった外国籍の人などの退避をめぐって混乱が続いています。
8日にNHKガザ事務所のスタッフが撮影した映像では、大勢の住民がガザ地区側のゲートの前に詰めかけ、係員に状況を問い合わせていました。
しかし、午後3時ごろになって、けが人の搬送も、外国籍の人たちの退避も行われないと現地で説明されたということです。
一連の衝突でガザ地区の保健当局は8日、ガザ地区ではこれまでに1万569人が死亡し、このうち4324人が子どもだと発表しました。イスラエル側では少なくとも1400人が死亡していて、双方の死者は1万1900人を超えています。
米の副報道官 検問所の通行「安全上の理由で停止」
アメリカ国務省のパテル副報道官は8日、記者会見でガザ地区とエジプトとの境界にあるラファ検問所の通行について「安全上の理由で停止されていると理解している」と述べ、エジプト政府やイスラエル政府と協力して対応にあたっていると説明しました。
パテル副報道官は、詳しい状況や具体的な通行再開のタイミングについては言及を避けましたが、「状況が改善すれば通行は再開される」と述べました。
イスラエルの複数メディア “戦闘休止など合意の見通し”
こうしたなかイスラエルの複数のメディアは8日、エジプトの仲介によって人道目的での戦闘の休止と一部の人質の解放について、近く関係する当事者が合意する見通しだと報じました。
アメリカをはじめ欧米各国からは人道目的での戦闘の休止を求める声が高まっていて、合意が実現するのか注目されます。
ハマスの幹部「ネタニヤフ首相が人質解放を妨害」
イスラム組織ハマスの政治部門の幹部が8日に会見し、「停戦という条件が整えば、イスラエルの民間人と外国人は解放されるだろう」などと述べ、イスラエル側が停戦に応じれば人質を解放するとの考えを改めて示しました。
そのうえで「ネタニヤフ首相が外国人の人質の解放を妨害している」などと述べ、人質の解放が進まないのは、停戦に応じないイスラエル側に責任があるとの主張を展開しました。
国連 “ハマス イスラエル軍ともに戦争犯罪”
国連人権高等弁務官事務所のトップ、ターク人権高等弁務官は8日、ラファ検問所を訪れたあと、会見を開きました。
先月7日のハマスによる奇襲攻撃を「凶悪で残忍だ」と指摘した上で、人質の拘束を続けていることも含めて「戦争犯罪だ」と非難しました。また、イスラエル軍による軍事作戦について「パレスチナの住民への集団的懲罰だ」と指摘し「退避を強制していることも含め戦争犯罪にあたる」と非難しました。
そのうえでターク人権高等弁務官は、民間人の人権を守るためいますぐ停戦が必要だと訴えました。